三想 ややこしい世界は時間が掛かる
「ん、んー、くはぁ」
寝起きってなぜか背伸びしちゃう。
あるあるだと思うけど理由は知らない。
あっ、バキッていった、
これもあるある。
コリレは寝てる。
かなり無防備な姿さらしてさぁ。
まぁ、流石に具体的には言わないけどね。
今が朝かはこの部屋じゃわかんない。
窓なんてないし、時計もこの部屋には置いてないし。
この家窓ないんだよね。
日光が差さないから眩しいってこともないけど。
無いなら無いでさみしいな、
って八十年前は思ってた。
今はむしろ野宿する時眩しくって。
たまに燈陽と蒼日消えろって思う時がある。
まぁ、分かりやすく日光が苦手なんだよね。
あ、そういえばこの世界の天体のことを話して無かった。
自分の妄想に何言ってんだ、とは思うけど。
割と独り言楽しいから続けるね。
まず今私が暮らしてる惑星についての説明から。
ここは
地球と同じ様に大地や海があって、そこに生き物が暮らしている。
っていっても哺乳類に近いのは万が一があってはいけないように、
神様の子孫しかいないけど。
手の平サイズの虫でそこまで危険がないやつは放してる。
コリレが好きなやつとかね、
名前は覚えてないけど。
あと魚もまだ放してない。
植物は普通に生えてるけどね。
で次に太陽の代わりをしてる。
二つの惑星…?じゃないな照らしてるから恒星か、うん。
気を取り直して、二つの恒星について説明するよ。
先に小さく見える方から説明するね。
名前は
名前から分かるように。
オレンジ色に光ってる。
簡単に言うと惑星と同じように動く太陽。
大きさは太陽と同じくらいだったり、すごく小さくなったりする。
今は多分太陽と同じくらい。
で燈陽もおかしいけど他の星の方が地球からするともっとおかしい。
けどこの話はまたいつか、先にご飯作らして。
寝てるコリレの分も作らないといけないし、覚えてたら説明するから。
忘れてたらごめん。
寝室のドアは厚めだから重い。
厚い理由は…まぁ、わかるよね。
で、
寝室からキッチン、ダイニングはだいたい5mくらい。
別に遠くないけど酔ってるときは割ときつかったり。
うーん、今日は何にしよっかな。
卵系が楽だよね。
うん、だし巻き卵にしよう。
またちなむけど、うちには冷蔵庫に似たものがあるから一週間はもつ。
おいしく食べたいからね。
キッチンのドアはそんなに厚くない。
そりゃそうだけど。
あとこの部屋には時計がある。
だから作ってる間時間の話をするよ。
今コリレが居たら、
”大丈夫ですか?”
って言われそうだけどね。
で今の時間を言うと12時くらい、
私は14時間くらいいつも寝てるから。
だいたい40時に寝たってことだね。
40時って言う地球では時間感覚のない人か、
◯◯時間って使い方でしか聞かない言葉が出たけど。
ここ旗落の一日は42時間もある。
地球とは全然時間が違ってすごい長い、
なのに朝は短い。
年中朝がない時もあるくらいだね。
でも天体の話になっていくるからこれくらいで、
長くなるし忘れてたからまた今度
次はもっと細かい時間の話をするよ。
って思ったけど分秒は地球と同じだからこれ以上言う事なかった。
だし巻きは盛り付けまで終わってるし、あとはダイニングに置くだけ。
二人分だからすぐに作れる。
朝ご飯は簡単な料理がいいよね。
コリレまだかな。
今は40分だから、そろそろ起きてきてもいいくらい。
でも起こすのはダメ。
あの子一日寝ないだけでぶっ倒れたことあるから。
寝れるときに寝かしといてあげないと。
私がいないときにちゃんと寝てるかわかんないから。
本人も”分かりません”って言ってた。
ほんと監視カメラでも置こうかなって思ったもん、
さすがにそれはやめたけど。
元々外には出してあげれないし。
心持ちとかそういう話じゃなくて、種族的にこの家から出られない。
仕方ない、そういう種族としてコリレは産まれた。
そして私はそのコリレを守る為に産まれた種族って聞いた。
まぁ、別に守ってる感なんて無いんだけどね、
パートナーではあるけど。
それにコリレを守りたいってはっきり感じたのなんて、
この世界に来て30年くらい経ってからだし。
あんまり種族とか関係なさそう。
だけどコリレは確実に閉じ込められてる。
だからこそ写真とかはよく見せてる。
コリレと話したり気をそらすときの話題にもなるしね。
あ、ドアの音。
「おはようございます」
「おはよ、コリレ」
コリレが起きてきたからまた今度。
次は私の話でもしようかな。
「今日はだし巻き卵ですか」
「うん、今日は上手くできたよ」
「ここ10年は私と遜色無いほどですよ」
あ、ちょっとお気に入りのおもちゃを取られた後みたいな目になってる。
声音は変わってないのに。
私が料理してるのが
自分の役割を取られた、って。
クク。
もうルールに決めてるのにどうしても顔に出ちゃってる。
少しわがままでかわいらしい。
「クク、顔に出てるよ」
「本当ですか?」
「うん、ちょっとムスっとしてる」
口に出てないし。
自覚もしてないみたいだし。
無意識下で嫉妬してるんだね。
「はぁ、すみません、この感情は抑えられそうにありません」
「クク、それでいいよ」
かわいいし、
なんだかすごい癒される。
それに私のことしか見えてないみたいに思えて。
すっごく嬉しい。
「ここには私とコリレしかいないんだから気にしなくてもいいんだよ」
「ですが、マスターの妻として心に余裕が欲しいのです」
切羽詰まってるわけじゃないから、そのままでいいと思うけど。
ああ、そうじゃないね。
相手は自分が好きな人だ、
相手が自分を好きなことも分かってる。
なら、もっとましな言葉があるね。
「私はコリレが好きなんだよ?」
コリレは頭がいいからすぐに分かってくれる。
けど、
「私も大好きです…が、マスターに釣り合う為にそうなりたいのです」
クク、敬語がはがれてきてる。
まだまだ仕事にいけそうにないね。
フクザツな乙女心だ。
ま、その前に。
「とりあえず、いただきますしようか、話は食べてから」
「はぁ、分かりました」
「いただきます」
「いただきます」
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