第7話
「…じゃあさ、私に似合いそうな服、雪人が選んできてよ。」
「…は?」
「わ、私を雪人好みにして、、良いよ、、、」
困った。なんでこうなった。
「いやいや、待て、俺服選ぶセンスなんてないぞ。」
「センスなんていらないよ。好きなように選べばいいよ。」
こいつ言ったな?メイド服って言ったらどうするつもりだ?
しかも俺好みって、俺以外の奴なら裸エプロンとか言い出すぞ。
俺だったからよかったものを、、、
とにかくこの状況を打開するいい手はないか?
「そ、そんなことよりお腹空いてこな「空いてないから早く選んで!」」
桜のこの目は無理だ。こうなったらあきらめて選ぼう。
となると、好みの服を本当に選ぶか適当に無難そうな目に付いたものを選ぶか。
前者だと確実に笑われる。無難なものを選んでいこう。無難がわかるかは別として。
「ちなみに無難そうな服選ぶとかは無しだよ。」
「ちょくちょく心読むの何なの。」
「やっぱり。そういう顔してた。」
諦めます。笑いたきゃ笑えばいい俺のセンスを。
「…わかったよ。」
「やった。」
うーん、、、桜は清純派美少女って感じだし、白のワンピースに麦わら帽子とかか?
いかん完全にオタクだ。
あたりを見渡す。何個か服を手に取って桜が来ていることを想像する。
う~む、何着ても似合うなこいつ。
「桜なら何着ても似合いそうだな。」
「あ、ありがとう。」
というわけでやはり白ワンピに麦わら帽子、これにきまりだな。
麦わら帽子はなかったのでとりあえずワンピースを見つける。
「これかな。」
「ワンピース?好きなんだね?」
「桜はやっぱ穢れを知らない清純派って感じだしな。彼氏とかもいたことなさそうだし。」
「そりゃそうだよ!彼氏作りたくても作れないもん!」
「いや嘘つけ。受けた告白にOKだせばいいだろ。」
「好きでもない人と付き合いたくないし、、」
「告白されることは否定しないんだな?」
「高校入って最初はされたけど、今はもう全然されないよ。」
「そうなんだ。不思議なもんだな。」
「私そんな分かりやすいかなぁ。恥ずかしい。」
「そんなことないと思う。」
「なんで一番わかってほしい人にはわからないの!もういい!
とりあえずこれ買ってくる!」
「その間俺トイレ行った来るから店の外集合な。」
「わかったよ!」
というわけで俺は近くにあった帽子が置いてあるお店に入って急いで麦わら帽子を買った。さっき店を見渡した時にこっちの店に帽子があることを確認していた。
まぁサプライズというやつ。これがないとはじまらないしな。
待ち合わせた店の前に行くとすでに桜が待っていた。
「悪い待たせた。」
「いや大丈夫って、その袋どうしたの?」
「俺からのプレゼント。これでセットだしな。」
「うぅ、、」
桜が泣き始めた。いや、なんでやねん。
「どうした?」
「ごめん。うれしくて感極まっちゃった。」
「喜んでくれたならうれしいよ。」
「プレゼントみていい?」
こいつ中見る前から泣いたのかよ。また泣くんじゃねえか?
袋から出して見せる。
「麦わら帽子?」
「あぁ。白ワンピには麦わら帽子って決まってるからな。」
「ありがとう!」
「どういたしまして。そろそろ昼めし食わないか?」
「そうだね!いこっか!」
プレゼントなんてキャラじゃないことをしたが、日ごろからの感謝の気持ちってことで。
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