第6話

目が覚めた。起きたら桜がぴったりとくっついて寝ていた。暑い。

そりゃ夏前だから暑いに決まってる。


桜を起こさないようにベッドを出て、日課のコーヒーを飲む。

その後ランニングをして家に戻ってきたので

汗を流すために脱衣所へ。


「ん?ここなんか赤くね?」


鏡で首に小さい虫刺されを発見。もうすぐ夏だもんなぁ。


かゆくないのであまり気にせず、シャワーを浴びて出る。


キッチンで朝食の準備をしていたら桜が起きてきた。


「おはよぉ今日は暑いねぇ。」


「本当にな。もう夏だもんな。

今年も蚊が出る季節になってきたしな。」


「蚊?今年は早いね。」


顎を上げ、首の虫刺されをみせる。


「あぁ、見てくれこれ。赤くなってるだろ。」


「あ、あ~それは大変だね~、うん。」


なぜか気まずそうな雰囲気を出してくる。


「そ、そういえばお母さんたちは?」


「たぶん昼まで寝てると思う。さっき缶とか片づけたんだが、この感じだと結構遅くまで飲んでたっぽい。」


「せっかくだし今日どっか出かけない??もちろん家のやること終わってからでいいから。」


「あぁ、良いけどどこ行くんだ?」


「私に任せて。行きたいところあるから。」


「分かった。じゃあとりあえず洗濯してくるな?」


「私は一回家に戻るね。三時間後にまたここに帰ってくるから。」


「あぁ分かった。」


そういってさっと荷物をもって出ていった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ただいま午前十時半。駅前にひとりで立っている。

なんで一人なんだ。誘ってきた張本人はどこに行ったのだろうか。


俺の家に戻ってくると思いきや、なぜか十時半に駅前集合と連絡が来た。

いやなんですか?俺と二人で近所は歩きたくないですか?

いつも学校行くとき歩いてるじゃん。


「雪人~おまたせ~。」


「おっ、来たな。」


「あなたの幼馴染の美少女、朝宮桜がきましたよ~。」


「お~、すげ~。」


「いや適当に返されるのが一番恥ずかしいんだけど。」


「んで?これからどこ行くの?」


「流さないでよ!まぁいいや、近くのモールで服買いに行きたいのと、今六月末じゃん?そういうこと!」


「そういうことってどういうことだよ。服買うって俺いる?荷物持ち?」


「幼馴染なんだからいるよ!ほらいこ!」


でたわ桜の幼馴染理論。何の根拠もないんだが。


「はぁ。まぁいっか。行くぞ。」


「う、うん。そ、そういう寛容なところも、す、好き、だよ?」


「どうせ暇だしな。」


「あ、そだねー。」


話していたらショッピングモールの女性服のお店についたわけだが、、


「これ俺入っていいのか。」


「大丈夫大丈夫!雪人ならいけるよ!」


「何を根拠に!?」


とても男が入っていい雰囲気ではない。だが、これを乗り越えられなければ彼女なんて出来やしない!べつに欲しいわけではないが。

高校生なら欲しくなくても彼女欲しい!って言っちゃわない?


覚悟を決めて店へと入っていった


「ねぇ雪人!これとかどう?似合うかな?」


かかっていた服をもって自分の体に合わせて見せてくる。


「いいんじゃないか?」


「じゃあこれは?」


「いいと思うぞ。」


「これは?」


「いいと思う。」


「なんでもいいじゃん!ちゃんと見てよ!」


「そんなこと言われてもセンスのない俺には何もわからんわ!」


そういうと桜は少し考えてこう言った。


「…じゃあさ、私に似合いそうな服、雪人が選んできてよ。」




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