第5話
風呂から上がり着替えてから、部屋に戻る前にお茶を飲むためキッチンへ。
なぜか少しにやにやしている母さんに疑問を抱きながらも部屋に戻る。
「あっ、ゆ、雪人。おかえり。」
「あぁ、ただいま。」
そういえば居たな。この人。
「絶対今そういえば居たなみたいなこと考えたでしょ。」
「いやなんでわかるんだよ。すげぇな。」
「幼馴染だからね。当然でしょっ。」
「幼馴染でも心読めたりはしないぞ。」
「え、確かに、、、そしたら私が雪人のことめっちゃ見てるみたいじゃん!」
いや実際そうだろとは言わない。心読まれてるぞって?そんなん知らん。
「あーまぁごめんな、せっかく来てくれてるのに悪いんだが、俺はアニメを見るので相手ができない。」
「そんなんいつものことじゃん。」
「たしかにそうだな。」
そういいながらもPCでアニメ見るサイトに飛ぶ。
ちゃんとお金払ってるところ。
俺がアニメを見るときは桜は静かに一緒になってみてくれる。こういうところもモテる要因の一つなのだろう。知らんけど。
「今日の分は見終わった。寝るにはまだ早いな。」
ううん、洗濯物は明日昼に干そうと思ってたんだが、今から洗濯して浴室乾燥かけるか?
「ね、ねぇ雪人。」
「ん?どうした?」
「昨日さ、ここで雪人がポニテ可愛いって言ってたじゃん?」
「あ~言ったような気がしなくもない。」
めっちゃポニテを褒めた気がする。
「だ、だからさ、、、、私さ、今日ポニテにしてたんだけど、、、」
「そういえばしてたな。」
「正直さ、、、、?どう思った?」
「あぁ、似合っててよかったんじゃないか?」
「ありがとう、、うれしい、、、」
「おう。どういたしまして?」
なにがありがとうなのか全くわからない。
「それだけじゃなくてさ。雪人が言ったからポニテにしたんだよ??」
「ああ、そう解釈したが。」
「数ある髪型選択肢の中から!ポニテにしたの!寝る前に何度も試してさ!
寝る前も緊張で布団の中でジタバタしちゃってさ!?」
まて、重要なことを逃している気がする。桜に言われて何かが突っかかる。
選択、、布団、、、
「あ!?桜が寝る用の布団!?洗濯してねぇ!!どこで寝るんだ!?」
「えええええ!?ということは!?」
なんでこいつうれしそうなんだよ。焦れよ。
「まぁ、これは俺の責任だし、リビングで寝るからベッド使っていいぞ。」
「あぁ、うん、、、、よし。
せ、せっかくだしさ、久しぶりに一緒のベッドで寝ない?」
こいつまじか。その言葉の深いところの意味理解してないのか?
「何も知らないお子様とは一緒には寝ないな。」
「お子様じゃない!わかってるから!」
「はいはい、分かった分かった。」
「分かってない!あー!もう!うまくいかない!」
なにが分かってないだよ。分かってないのは桜だろ?
「もうお子様でいいから!逆にお子様なら一緒に寝てくれてもいいじゃん!」
こいつめっちゃ粘るやん。なにが桜をここまで強くするのか。
そんなことを考えていると部屋の扉が開く。
顔を出したのは母さんだった。
「雪人、今晩はリビング使うからね。」
「あぁ、理解した。」
明日は夫婦ともども休みなので、晩酌するらしい。
たまに休みが被るとその前日の夜にやるのだ。
別にリビングに来るなと言われているわけではないが、俺がいたくない。
それはそれは甘い空間が出来上がっているのだ。
「すまん桜。一緒に寝ることになりそうだ。」
「本当に!?やった!」
「狭くなるが我慢してくれな。」
「むしろそのほうが興奮、、、あったかくていいね!!」
今興奮するって言いそうになってなかったか?でも興奮するわけないもんな。聞き間違いか。
なんやかんやと言い合ってる間に眠くなってきた
「もう俺は寝る。アニメみるなら好きにみていいぞ。」
「ううん。私も寝るよ。」
「そうか。」
そういって目を閉じ、ものの数分で意識を手放した。
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