第8話 桃太郎 その8

鬼ヶ島に近い小さな島で一夜を明かした桃太郎一行。

体力気力十分で、朝早くお日様が顔を出す頃、鬼ヶ島に到着しました。


ビックリしたのは鬼達です。

人の方から島にやってくることは今まで1度たりともなかったからです。


のんびりと釣りをしていた鬼がまず、気づきました。すぐに島長シマオサにと走りました。


「大変です。人間たちがやってきます」

このとき、なんて言ってしまったものですから大変です。

「とりあえず、手すきのものを集めとけ」

で、たくさんの鬼達が桃太郎一行を待ち構えることになりました。


一方、桃太郎はと言えば、穏便に済ませたいという思いがありました。

だからこそ、お供を最小限に抑えたのでした。


武器は持たず、防具もつけない。

決意の鉢巻だけはしています。

あの羽織は既に脱ぎ捨て、いつもの野良着です。


「ヤバいよ、桃太郎。鬼達大集合だよ」

キジの報告にますます気合いが入る、一行。


お互いの思いがすれ違ったまま、です。

さて、どうなりますやら。




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