第7話 桃太郎 その7

動物達と話し合いをした次の日の朝、桃太郎は立派な羽織を身に着け、お供として犬、サル、キジを連れ村を出発しました。


道中通る街道筋では近隣の村々からたくさんの人々が集まり桃太郎たちに声援を送っています。


「いい気なもんじゃの」

不機嫌そうに桃太郎は小さく聞こえないように吐き捨てました。

「気持ちは分かるがの。もちっと笑ってみたらどうじゃ」

サルの提案に『フンっ』とソッポを向きました。


「あとどれくらいじゃ?」

「頭の真上にお天道様が来る頃に港に着く。それから船を出して日が沈む頃か」

ずいぶん遠いな、と一同ため息がでます。

「俺は先に行っとくぜ」

キジは先に行ってしまいました。

サルも木から木へ飛び移りながら

「先の様子をみてくる」

といなくなりました。


「みんな勝手じゃな」

桃太郎の機嫌はますます悪くなる一方です。

「着いた頃には夜か」

犬がため息とともに一言吐き出しました。

「夜襲は嫌じゃ。どこかで夜を明かすかの」


先に行ったキジ次第で作戦を変えるかもしれません。みんなで考えた作戦がうまくいくことを祈る、桃太郎でした。



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