第5話 桃太郎 その5

おじいは話します。あの男から聞いた話しを桃太郎に。


鬼達は他の村から奪った財宝で交易をしていること。年に2回勉強の名目で女を連れて帰っていることなどなど。


「で、ワシにどうしろと?」

鬼達と何度か相撲などをとったことのある桃太郎には違和感しかない話しでした。

動物達にも優しい鬼達がしているとは思えないのです。


「退治してこいとかか」

おじいおばあは静かにうなずきました。

「ワシァ、いやじゃ。あやつらはそんな奴らじゃない」

桃太郎は断りましたが、周りをみればある程度つまれたのは確か。壁の羽織が雄弁に物語っています。


「いやじゃ。見た目怖いが悪いヤツじゃない。絶対にいやじゃ。見た目で判断するな」

寝る!と夕飯に手をつけず奥に引っ込んでしまいました。明日、仲間と相談しよう、そう思いました。


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