第38話

今日は寝て、明日狸を探すかと思ってたら爺さんが


「お客人、これはトメとの結婚記念で残してた特別な酒じゃ、どうせトメはもうこの世にいない、供養と思って一緒に飲んでくれんかの??」


爺さんはとっくりに1合持ってきて俺に盃を渡してきた。

俺は無言で受取、爺さんからの酒を受け取って一気に飲み干した。


!!!コレは日本酒!しかも純米吟醸並みの味わい!コレは何処かで作られたんだよな??俺もこの酒欲しいぜ!


「爺さん!この酒、どこで手に入れたんだ?」


「これはトメが酒作りにも精通していて、独自で研究し作り上げた酒なんじゃよ・・・」


驚愕の事実を知った俺は稲妻に撃たれた衝撃に浸った、こんな美味い酒を作った婆さんが殺された?これは事件じゃないか!!

狸め!マジで許すまじ!!!

俺は爺さんとは別の怒りを覚え狸生捕りに執念を燃やしたのだった。


♦︎


翌朝俺は、狸が隠れてそうな洞穴とかを充填的に調査を始めた、3箇所ぐらい見てみたが特に狸は居ないし一時的に過ごした形跡も見当たらない


途方に暮れてあるいていたら、1人の女性がいるのを見つけた


「どーしました?こんな山奥で?」


俺は女性に声をかける


「私家にいたら急に盗賊が現れて襲われたのですが、隙を見て逃げ出したのですが、逃げる途中にナタで背中を切られて、その傷が痛み出してここいいたんですよ」


なんか、出来すぎた内容だなこれは狸が爺さんを陥れる為の罠なのかもしれない、もう少し情報を引き出してみるか


「その盗賊の容姿は?」


仮に本当に盗賊かもしれないし容姿は聞いてみては損はないだろう


「老人でした爺さんでしたね!思い出すだけでも恐ろしい、、私は夕飯の狸汁を作っていただけなのに」


怪しすぎる!


「お嬢さんは何かスキルとか使えたりしないのかな?使えたりしたらそのスキルでなんとかなったとかさ?」


俺が質問すると少し戸惑った様子をみせ


「変化スキルというユニークスキルを持っています。変化と言っても容姿が変わるだけで、スキルコピーまで出来ないので弱いです」


「なるほどなー所で逃げてる最中に狸とか見なかったか?」


「見ましたよ!ってよりはここにいるけどね!」


話し終えると症状は狸の姿に変わっていくが、俺の知ってる狸とは全然違っていた。


背丈は2mぐらいで、無駄のない筋肉で両手の爪は簡単に動物は切り裂けそうな爪


俺が考えてる間に狸は動き間合いを詰めてくる!

早い!

俺は身をよじって交わすが、腕をやられたみたいで鮮血が飛び散る!


野生の動きか!

俺はナイフを取り出し狸に向かう!

が、狸はかわす!

ナイフの軌道は虚しく空を切る!


狸の攻撃は止まらない!

俺は致命傷にならないが、ジリジリ体力を奪われていく


目の前が霞んで来た・・・血を流しすぎたか??

狸の爪が目の前に迫ってきた

死ぬ!!


『覇王!斬撃波!!!!』


後方の方から声が聞こえたと思ったら、狸は謎の斬撃に斬られ絶命していた


「お客人!無事でしたか!!」


なんと声の主は爺さんだった!!

どうやら、狸は強いから1人では心配だと思い後をつけてきたらしい

俺を見失って探していた所、戦ってる気配がして駆けつけてくれたそうだ。


「トメ!ワシは仇をとったぞ!!!トメ見ているか?あの狸はワシが討ち取ったゾォぉぉぉおお!!」


ってか、爺さん強くね?

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