第9話
□□ビルの前。時はもうすぐ三時になろうとしている。
ゆめは□□ビルに入り、受付のさくらミミに話しかけた。
「すみません…」
「…あっ、あなたはさっきいらした、まもりさん?…」
「はい。今度はミミさんに聞きたいことがありまして…」
「えぇっ、私にですかぁ?…」
「はい。ミミさんは昨日のお昼過ぎに外であった交通事故のことは知っていますか?」
「えぇ、あの時もここにいましたから。あの時は外で凄い音がしたので、すぐに何かあったのではないかと思っていました。…そうしたらそのあと救急車やパトカーも来ていたから、事故でもあったのかなぁって思っていました。」
「その時、何か気になることとかありませんでしたか?」
「…んー、…そういえば、…『ドーン』って、車がぶつかったような凄い音がする前に、…何か変な音がしていたような…」
「…ん?変な音?…」
「…はい。…まず、人か何かが上から落ちてきたような『ドスン』っていう鈍い音がしたんですけど…その時一緒に…動物か何かが潰れたような音がして…」
「どんな音だったんですか?」
「…んー、…何か、こう、『ぅぶぎゅー』みたいな、…なんて表現していいか分からないような変な音でした…」
〘…『ぅぶぎゅー』??…動物か何かが潰れたような音??…何の音だったんだろう…おならかなぁ…なんて…〙
「その時、他に気になることはありませんでしたか?」
「…んー、他には特になかったと思います…すみません…お役に立てなくて…」
「いえいえ、とても貴重な話を聞けました。ありがとうございました。」
ゆめはミミにお礼を言い、□□ビルを後にした。
〘…動物か何かの音…くるみさんはビルから落ちた時に動物か何かを潰してしまったのか…そうだ、お兄さんなら、くるみさんが潰してしまったものが何か、警察とかから聞いているかもしれない…〙
ゆめはもう一度、ゆうたに会いに行き、聞いてみることとした。
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