第7話

○○ビル受付。今日もいつもと同じく、くろくまとしろくまが立って受付をしている。

「すみませーん。」

「あっ、ゆめさん。どうしたの?」

「しろくまさん、昨日はありがとうございました。…あっ、…」

〘しまった、うっかり勝手に考えたあだ名で呼んでしまった…(汗)〙

「フフッ、しろくまでもいいわよ。こちらこそお役に立てたかしら。」

「…はい。…ところで、ここの○○ビルの社長って、今日はいますか?」

「あぁ社長は、今日はまだ来てないわ。…ほら、昨日の事故の被害者…実は社長の妹さんだったみたいで…昨日の夜から葬儀の準備やら何やらで忙しいみたい…でも連絡すれば話はできるかもしれないから、聞いてみる?」

「…あっ、そうだったんですかぁ。…ではお願いします…」

〘…ここの社長は、くるみさんのお兄さんだったのかぁ…なら、くるみさんがなぜ突き落とされたのか、何か知っているかもしれない…〙

しろくまは受付の電話から社長の携帯電話にかけてみた。

…トゥルルルル、トゥルルルル、トゥルルルル、…カチャッ…

「もしもし、…くまのですけど、…受付にまもりゆめさんという女の子が社長とお話をしたいと申しているのですが、お話をすることはできますか?…」

「…はい、…はい、…分かりました。そのように伝えておきます。お忙しいところすみませんでした。」

…ガチャッ…

「社長、今こっちに向かっている途中みたいで、あと十分位で着くみたいだから、このまま待っていれば話できるみたい。それまでここで待ってる?」

「はい。お願いします。」


ゆめは受付のロビーにあるソファに座って待つこと七分。ビルの入口が開き一人の男性が入ってきた。男性はクリーム色の長袖パーカーに、紺色のジーパン、前髪が風になびく少し赤みかかったサラサラヘアでとても爽やかな印象の人だ。

男性は受付の二人に声をかけた。

「お待たせ。僕と話をしたいと言っている女の子っていうのはどこ?」

「そちらのソファに座っている子です。」

「あぁ、分かった。ありがとう。」

この男性がここの社長のようだ。社長はゆめの方に向かって歩いてくる。

「…君が僕と話をしたいと言っていた子かい?」

「はい。私、まもりゆめと言います。」

「そうか。僕がここのビルで社長をやっているこうもとゆうただけど、話したいことって何かな?」

「実は昨日あった妹さんのくるみさんの事故のことを調べていて、お兄さんである社長にお話を聞かせてほしいと思って来ました。」

「分かった。ではここでは何だから、二階の社長室で話をしよう。」

ゆめは社長と一緒に階段で二階の社長室へ向かった。

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