第2話 女神は癒されたい。

 甘い物食べたい。もうやだ。仕事したくない。


 というか、なんでワガママな事しか言わないヤツばっかりなの? 泣くわよ? 泣いちゃうわよ? 良いの? あなたの転生先、最悪の事になるからね? 私は知らないからね?


『ーーーーですから、イケメン、イケボの幼馴染みと婚約者は貴族で、金髪碧眼、スタイリッシュな王子様的な感じで、その人の親友はちょい黒短髪系で、あ、眼鏡は必須! これ絶対! で、ちょっと耽美な感じでーーーー』


 うざい。もうやだ。なんで、男女別なの? てか、女の魂うざすぎる! まともな魂回ってこないわけ?


 ううん、こないだ来た子は凄く可愛かった。でも、それは稀な当たり。


 大半は我が強く、唯我独尊をいく様なヤツばかり。転生時にリセットして、ランダムするから性別も変わるのに、ほとんどが『運命の相手』やらのイケメン希望者ばかり。


 いや、正直言って、あなたの来た世界の『美』と転生先の時代の『美』はイコールではないからね? まぁ、言わないけども。貴族は肥ってなんぼだったり、短髪は駄目だったり、世界や情勢はかなり細かく別れてるし、合致することはほぼ無いから!


 それに、なんで前世のあなたの願望を、次世のあなたの願望にしちゃうわけ? というか、夢みんなボケが! こっちだってお前らの世話のおかげで未婚なんだよ! むしろ、こっちに良い男神寄越せや!


 危ない危ない、ちょっと思考が漏れそうになったわ。それもこれも老神の振り分けのせいよね。なんで若い魂は若い神だけに振るわけ?


 そりゃ、中にはかわいい子いるわよ? それこそ、砂漠の中の一粒のダイヤモンドみたいな確率で。


 なのに、精神の老成した素直な魂は老神に振り分けて、若い魂のしかも男女を『性的なコンプライアンス』とかいって一方的に分けるのはどうなの?


 てか、魂相手に欲情するならしてみなさいよ! どうせでしょうけどね。てか、同性の方が困るんだけど! マジで、仕事進まないんだけど!


『ーーーーでぇ、二十歳位に結婚してぇ~』


「はい、では希望の中世への転生を行いますね!」


『あのぉ、女神様? 私の希望は?』


「叶うと良いですね! 応援してます、それでは良き人生を!」


『え? ちょ? どういーーーー』


 はぁ、なんでわざわざ希望を聞かなきゃなの? てか、希望と願望は一緒じゃ無いんだけど。あぁ、仕事したくない……次の子は可愛いと良いなぁ。癒し……欲しい。


 あぁ、胃が痛い。もういっそ、良い子来たら後釜にしちゃおうかな…………もう、ゴールしてもいいよね?


 うん、そうしよう。次の可愛い子に後釜になってもらおう。


「次の人~どうぞ~」

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