　エミリーは旅立つ前に、村長に貰った旅費で武器を買うために、ヨウコに連れられて武器屋にやってきました。

　村の外には魔物がいて危ないからです。

「エミリー、武器は使えますか？」

「銃を使えます」

　エミリーはカリフォルニアの射撃場で、お父さんに射撃を教えて貰った事がありました。

「銃はありません」

　しかし残念な事に、この武器屋に銃はありませんでした。

「では、何がありますか？」

「剣や槍があります」

「ケンは私の友達です」

「そのケンではありません」

「わかりました」

　ヨウコはエミリーに色々な武器を渡します。

「剣はどうですか？」

　エミリーが剣を振ると、床が割れました。

「槍はどうですか？」

　エミリーが槍を突くと、壁に穴が空きました。

「斧はどうですか？」

　エミリーが斧を振ると、突風でヨウコが吹っ飛びました。

「大丈夫ですか？」

「あまり大丈夫ではありません」

「ごめんなさい」

「エミリーは凄いですね」

「そうですね」

　結局エミリーは剣と盾を買いました。

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