I wanted to picture
かつて私の心を震わせた写真を消した。
私の心を震えさせなくなったから。
スマホの容量を圧迫したから。
何百枚と保存した写真がなにひとつ自分のものでないのが嫌だったから。
確かに綺麗と思えた写真。乾いていく。ふやけていく。飽和していく。
確かに思い描けた波の音が、潮の匂いが、木々のざわめきが、風の色が、朝焼けが、なにひとつわからない。
ぴんと静止した線と色がそれ以上の意味をなさない。
私の頭は機能不全に陥ってしまった。
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