昼ごはん
ごはんがたべたい。
昼ごはんが食べたいのだ。
6枚切りの食パンを焼いてバターを塗っただけのものじゃない。正月のあまりの餅を焼いて砂糖醤油につけたようなものじゃない。インスタントコーヒーだけじゃ満足できない。カップ麺もダメ。小洒落たパン屋のカレーパンでもない。
わたしが食べたいのは──例えば一粒のプチトマト。茶碗一杯の白米に味噌汁。あるいは白米にツナを乗っけたもの。
ネットで「ひるごはん」って検索したら出てくるような簡単な丼ものを作れる材料なんてうちにない。アボカドも、鮭も、豚肉も。
泣きたくなった。どうしてもキッチンの母に「昼ごはんに食べれそうなものある?」って聞けない。たぶんわたしがもう昼ごはんを食べたと思っている。それに、きっと食パンや切り餅を指差して「これは?」って聞かれる。そうしたらわたしはそれを食べる以外になくなってしまう。
ごはんがたべたい。
昼ごはんが食べたいのだ。
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