製剤薬局への取材

吉川 卓志

つまりライヴの楽しさね

「メール頂いていた取材の方? わざわざどうも、ようこそいらっしゃい。

ああ写真? 構いませんよ、何でも撮って下さい。


あの薬棚? そう、あれがウチの売りでね。いいでしょう? 一応デザイナーに発注したんだよ。

ほら、調剤薬局ってさ、何もないじゃない、ベンチしか。

ウチも建て替える前は市販の売薬なんか表に置いてあったけど、なんかつまんないんだよね。お客さんは退屈でしょう。

でも、こうやって調剤の現場が見えるようになっているとさ、お客さんも、俺の薬が! 今! 出来てるっ! て感じがするでしょう。つまりライヴの楽しさね。


この棚を考えたきっかけ?

子供と近所のショッヒングモールっていうのかな、巨大なスーパーの中を歩いていたら通路にお菓子屋があってね。お菓子屋ってのも変だな、通路の雑貨屋の出店ね、その店先にケースに入れられたお菓子が有るの。

それ買いたい子供はスプーンですくって袋に入れて、店員にハイって渡すのね。

あれどっかで見た光景だなと思ったら自分の仕事場じゃない。これは良いなって思ってね。


で、店をこうゆうふうにしてみたの。

凄く好評だよ。わざわざ遠くから来る人もいるよ。

本当はお客さんが自分で、お菓子みたいに薬を取れればいいんだよね。こうやって、棚から自分でスプーンですくってさ。


見た目には凄く気を使っているよ。棚は透明でしょう。中が見える。

だから、入れる薬も色で分けてるんだよね。インフルエンザの薬の隣が便秘薬なの。ハハハ」

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製剤薬局への取材 吉川 卓志 @Lolomo

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