第3話 アルミネラ魔法学校
俺は今馬車に乗っている。目的地に向かっているところだ。ここの世界はどうやら日本でいう5月ぐらいの暖かさらしい。過ごしやすくとても良い。
「ツヨシ着いたわよ。ここがアルミネラ魔法学校よ」
「うわぁ……めちゃくちゃでけぇな」
アルミネラ魔法学校、まさに東京ドーム10個分といったぐらい大きい。建物はバッキンガム宮殿のようであった。まさにこれぞ魔法学校って感じだ。
「んで?俺はどこいけばいいんだ?」
「とりあえず、私について来てちょうだい。案内するから」
「ああ…分かった」
俺はそのまま正門をくぐり建物へ向かっていった。ちなみにここの世界の学校にも制服はあるようだ。だが周りの歩いている生徒を見てみると色が違う。
「気になったんだけど制服の色が違うって言うのはなんでだ? 赤、青、白ってあるけど……」
「ああ……赤い制服が初級のカルベル、青い制服が中級のブローガイス、そして白い制服が上級のフォルギネアよ。フォルギネアの制服はエリートクラスだから皆んなの憧れよ。歩いてるだけでチヤホヤされるんだから」
「ふーん……じゃあ俺はフォルギネアまで進級するわ。エリートとか最高だろ‼︎ 」
「は?あんた馬鹿じゃないの?フォルギネアに行ける人なんて少数よ。ここの学校でも天才じゃないと行けないわ」
「そんなに難しいのか?」
「当たり前じゃない!!」
エーゲルトさんに聞いた話だが…このアルミネラ魔法学校の初級のカルベルには8000人、中級のブローガイスには4000人、上級のフォルギネアには200人と生徒の数がいる。つまり上級クラスに行くにはかなりの努力が必要だということがわかる。
「ここだっだかな?そうそう!! ここよ!! ここが入学手続きする部屋よ」
「あー案内ありがとうな」
「じゃあ、私は自分の講義に行ってくるから帰りまた会いましょう。またね!!」
「おう!またなー!!」
さてと、入室してさっさと手続きを終わらせるとしよう。
「失礼します。入学書です。確認よろしくお願いします」
「はい。分かりました。確かに入学書を受け取りました。ん?なんで呼ぶんだ?名前はなんで言うんだ⁇」
「アキモトツヨシといいます」
「ツヨシくんね。なるほどね…確認したよ。じゃあ、まず君は新入生だから新入生最初の少人数クラスの火属性魔法担当カール先生の教室へ行ってもらおうかね。地図を渡すから確認してね。あとこれ初級カルベルの制服ね」
「はい」
俺はフォルギネア魔法学校の地図をもらった。さっさと制服に着替えて……カール先生の教室は……一階の5番教室……了解、了解。
歩いて15分ぐらいか。着いたようだ。さて、いよいよだ。落ち着けー落ち着け。
ふーっ。
深呼吸をして落ち着かせる。さぁ!!人生4度目の学校ライフの始まりだ!!いざ入室!!!!
「よろしくおねがい……」
「おめぇ!! 危ねぇー!!!!」
教室の扉を開けた瞬間、勢いよく火玉が俺の顔に直撃した。
「うわぁーっ!!!! あちちちちち!! おめぇ!! いきなり危ねぇだろ!!」
「おーすまんすまん。遊んでたら当たっちゃってよ……お前も今日からの新入生か?」
「そうだ。今日からここに通うことになったんだ」
赤い髪の色をした青年ぐらいの男が俺の方を見て話してきた。俺より少し身長が高いようだ。
「そうかー!! 俺も今日入学したんだ。よろしくな!! 俺の名前はゲルク オメェの名前はなんで言うんだ⁇ 」
「俺の名前はツヨシだ。こちらこそよろしく」
「おっと!!いけねぇ!!そろそろ授業が始まるぞ! また後な!!」
「おう」
俺たちはそれぞれの席に座った………座った……
「って!!隣かよ!!」
「はっははは!! 気が合うじゃねぇか!!」
ゲルクとは席が隣だった。俺たちの席は黒板から一番後ろの席だった。教室の人数は60人ぐらいか。俺の高校、中学は30人ぐらいだったため、人数が多く感じる。
「はいはーい。皆さんちゃんと席に座っているわね。ここにいる全員が新入生ね。先生の名前を紹介するわ。先生の名前はルイーズといいます。これからよろしくね。じゃあ授業を始めますよ!! 」
「はい!!お願いします!!」
キヨシは日本の学校の授業が始まる時と同じように起立をした。
「あら、立たなくていいわよ? 座って座って」
「ああ…すみません」
自然と立ってしまった。ここの世界の学校では初めの挨拶は席を立たなくても良いらしい。
「ははははは!! おめぇ。面白れぇな!! 」
「それって褒め言葉なのか?」
まぁ…とりあえず教室にも無事に辿り着いて、ゲルクと知り合うことができたし、ひとまずほっとした。さぁ!!いよいよだ。魔法を教えてもらえるっ!!
「では、皆さんこの授業では、火属性魔法を学びます。さっそくあそこに置いてある木の棒に向けて魔法を使ってみます。皆さんは私のお手本をもとにやってみてください。」
教室にいる学生は一斉にルイーズ先生に視線を向ける。早く一番上のフォルギネアに行きたいのだ。多くの学生は優秀な魔法使いになりたく、ここの学校に入学した。フォルギネア級の魔法使いになれば多くのギルドクエストなどで活躍して大量に儲けられるからだ。
「大地より秘めらし力よ。今ここに炎の力を解放し我が命じる。あの者を熱き炎で焼き払え!!」
ルイーズ先生は手で木の棒に向けて魔法詠唱を唱え、手からは炎が出た。そして木の棒を焼き尽くした。
「す、すげぇ……どうやってやるんだ⁇」
「魔法詠唱を唱えるときに、体の神経を集中してください。そうすれば炎が手から出てきますよ。ちなみにこの技は初級魔法の中です。いきなり出来ればすごいですよ!! さぁ!!さっそくあなたたちの前にある木の棒に向けてやってみなさい!!」
なるほど……体の神経を集中する。異世界系ではよく聞く話だ。俺は理由があってここに召喚されたんだ!!一発で成功してやる!!
「ふーっ」
俺は深呼吸をして体の神経を集中させる。魔法詠唱を読んでずばっと出すんだ。
「大地より秘めらし力よ。今ここに炎の力を解放し我が命じる。あの者を熱き炎で焼き払え!!」
ボーーッ!!
火、火がついた!!やった!!やったぞ!!
「ツヨシ!!俺も出来たぞ!!」
「おお!!ゲルクもか!!」
ん?待てよ?他にどれくらい出来てる?ん?俺たち以外誰も出てない……
「す、すごぉーい!!あなた達二人とも優秀よ!! この技はよく新入生に見せてるけどみんな一冊では出来ないわよ。けどあなた達は出来たのね!! すごいわぁ!! 皆さん拍手!!」
パチパチパチパチ…
「やったな!! やっぱり俺たち気が合うじゃねぇか!!」
「ははははっ。そうだな」
こうして一番初めの一限の授業は終わった。そして二限 水属性魔法 初級アレン先生の授業、三限 雷属性魔法 初級 ミラーズ先生の授業と進んでいった。だが、全部俺たちは先生のお手本をあっさりと一発でやり遂げてしまった。
「いやー思ったより簡単だったな。なぁ!ゲルク」
「ああ、俺たちは天才なのかもな!!」
確かにこの二人は他の生徒が覚えるのに苦労するのをあっさりとやり遂げてしまった。普通は初級のカルベルでも挫折してやめてしまう人が多いのである。
「あ! ツヨシこんなところにいたんだ〜。 あんたまだ魔法何一つ出来てないでしょ?」
廊下を歩いていたら教室からエリーナが出てきた。なんの講義を取っていたのだろうか……?
「ふん。どうかな?」
「な、なによ。ちょっと教えなさいよ!!」
エリーナはほっぺを膨らませ怒っている様子だ。まぁ…全部出来たって言ったら驚くだろうな。ふふふふふ。
「あーねぇちゃん。こいつ全部やれたぜー」
「お、おいバカ!!そこは空気を読めよ!!」
「な、あんた初日で全部出来たっていうの⁉︎ 信じられない!!」
「ああ…そうだ。俺たちは全部あっさりと出来たんだぜ。エリーナよ。」
昨日エリーナが俺にドヤ顔したのを倍返しでお返ししてやった。
「ふん。まぁ……すごいんじゃない? 私は初級のカルベルなんて余裕で終わらせたし?」
「へー」
正直に言おう。ここの魔法学校、上級のフォルギネアまで進級するの楽勝じゃね? 最速で進級してやる!!
「そういえば、あんたの隣にいる男はなんて名前なの?」
「ああ…こいつはゲルクって言って俺と同じで今日入学した奴なんだ。俺と同じく今日の魔法はあっさりと出来たんだぜ」
「なっ!!あんたもなの⁉︎ あ、ありえない!! 初日でできる人なんて…」
まぁ…そりゃ驚くのも無理はないだろな。
「お前ら。とりあえず昼の時間なんだし、飯食いに行かね?」
「そうだな。食いに行くとするか。」
その後、俺たちは魔法学校の食堂で昼ご飯を食べ、その後の四限、五限の講義を終わらしたのだった。
「はぁ……やっと終わった。これで帰れる」
「まぁ全部楽勝で終わらせたからいいじゃねぇか。帰るぞ!!」
「そうだな」
初日で魔法を全て覚えることができたのは良いのだが……やっぱり学校はどんな世界でも疲れるものだ。はぁ〜学校の外へ出た瞬間の解放感がたまらない!!ん? あぁ…エリーナが門の前で待ってるな。
「終わったよー!!」
「どう? 魔法学校は?馴染めた?」
「ああ…こいつと仲良くなったしな!!」
「いってぇ!!」
俺はゲルクの肩をおもいっきり叩いた。ゲルクは痛そうな感じだった。まぁ…この世界に来てから初めて友達になったのはゲルクだし、正直嬉しかった。
「んまぁ…楽しかったわ。またなツヨシ。また明日な」
「おう!ゲルクまた明日なー!!」
「じゃあ帰るわよ」
「おう」
こうして、俺は今日異世界に来てアルミネラ魔法学校に入学した。初めは異世界に来た俺が魔法を習得するのは難しいと思ったが…簡単に出来てしまった。んまぁ…初級魔法なんだけどね。
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