第7話 複雑な心境
それから、十夜は出かける事が増える。
久しぶりの友達との再会に十夜はとても嬉しそうで、それが十分に伝わっていた。
私の中では彼女の存在が何処か複雑で引っ掛かっていた。
ある日の休日。
「友羽、今日二人ともお出掛けするんだって」
十夜が言ってきた。
「そうかぁ~。十夜は?友達と出掛けたりしないの?私の事は良いんだよ。せっかく前の友達と会えたんだし遊んで来て良いんだよ」
「行かないよ。何の約束もしてないし」
「連絡すれば?そうすれば出かけられるよ」
「友羽は、俺の事追い出したいの?」
「えっ?いや違うけど…。…ごめん…気悪くしたなら謝る。最近、十夜、休日出掛ける事が多かったから……」
「友羽は?」
「えっ?」
「彼氏とデートとか?出掛ける予定は?」
「ないよ。彼氏もいるわけでもないし…トキメキもないし」
「そうか。じゃあ出掛ける?」
「えっ!?」
「良かったらで良いけど」
私達は出掛ける事にした。
そんなある日の事。
「友羽、今度カラオケ行こうか?」
「えっ?」
「友達を誘ってくれても良いし。どう?」
「分かった。聞いてみるね」
「うん」
私は親友の、砂弥香にカラオケの事を話してみた。
すると、即OKの返事を貰い、私達は出掛ける事になったんだけど、向かった先には二人の影。
そのうちの一人は、以前、会った事のある女の人がいた。
そして、もう一人は、男の人。
話によれば、十夜の元同級生みたいだけど…
カラオケに行き、ボーリングをした。
ある日の事だった。
「友羽、今度の日曜日、ちょっと付き合ってくれないかな?」
「日曜日?良いけど…」
「ありがとう。良かった」
そして、出掛ける事になり意外な組み合わせでフレンドデート。
十夜の前の学校の友達の、由都羽さんと
汐河 敏樹(しおかわ としき)さんと出掛けた。
その日、1日を楽しみ、2ー2 で別れ私に告白をしてくる敏樹さん。
「ゆっくりで良いから俺と付き合ってくれない?」
「えっ?…でも…私…好きな人いて…」
「知ってる。十夜だろう?」
「…………」
「時々、目で追ってたみたいだし」
「…敏樹さん…」
「でも、それでも構わない。俺に対して想いがなくても俺は良いから」
「だけど…私…以前、それで相手傷付けたから…だから…ごめんなさい……」
「試用期間……駄目かな?」
「………………」
「取り合えず、気持ちが変わったら言って。俺、受け入れるから」
敏樹さんは帰って行くと、ふと足を止める。
「友羽ちゃん」
振り返る敏樹さん。
「アイツ…十夜、君の気持ち気付いていると思うよ」
「えっ?」
「アイツ…あー見えて、かなり勘は鋭いし洞察力半端なく凄いから。でも…傷付きやすいナイーブな性格。それじゃ」
そう言うと帰って行くのだった。
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