27日目

 昨日の警報の通り、魔王の軍勢は神殿に攻め込んできた。


 魔王軍の兵士達はクロノスと部下達によって足止めされた。


 だが、俺達のもとへは魔王自らがやってきた。


 青の勇者と緑の勇者とその女神達、お前ら4人とクロノスが死ねば、もはや恐れるものはなし、と魔王は言った。


 いつの間にか青勇者と同格扱いされるようになっていて俺は嬉しかったが、戦闘が始まるとすぐに笑い事ではなくなった。


 魔王の高速移動と障壁展開の術によって、俺たちの攻撃はほとんど届かない。

 特に、俺と緑女神の魔法攻撃は、威力こそ高いが大振りなので簡単にかわされてしまう。

 なんとか通じるのは青勇者の剣技だけだが、それもだんだん押され始めた。


(このままじゃ全滅するぞ)


 そう思ったとき、青勇者が魔王を背後から羽交い締めにして動きを封じた。


 自分もろともで構わない、撃て、と青勇者は言った。


 お前たちにそんな事ができるものか、と魔王は言った。


 俺は撃った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る