　山の頂上でドラゴンを見つけた。

　ドラゴンは、協力してほしいならお前らの誰か一人を生贄として喰わせろ、と言った。

　とんでもない奴だ。

　青の勇者が、俺が犠牲になる、と言った。

　青の女神は、いいえ私が、と言った。

　俺達二人はなにも言わずに黙っている。

（あれ、これはもしかしてテストか？）

　自己犠牲の精神を試すとかなんとかで、本当は食う気ないんじゃないだろうか。

「私が生贄になるわ」

　緑の女神も言い出したが、明らかに本心ではないのは目を見ればわかる。

　ここは俺も同調しておこう。

「いやいや、俺が犠牲になろう」

　言ったとたんに俺は右腕を食われた。

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