20日目

 腕を食いちぎられて死ぬかと思ったが、青の女神が回復法術をかけてくれた。

 一晩で俺の腕はまた生えてきた。デタラメな効果だ。


「片腕食われただけでぎゃあぎゃあ泣いて、みっともないわね」


 青女神の半分も役に立たないくせに、緑が偉そうにほざく。


 昨日あの後ドラゴンは、まずいからもういいや、と言って骨だけになった俺の腕を吐き出した。今まで人間を食ったことがなく、ちょっと試してみたかっただけらしい。


「まずくても、食ったんだから約束守れよ。魔王の城まで乗せてくれ」


 かまわないけどお前らは魔王の城の場所を知っているのか、とドラゴンが言った。


「東に行けばあるんだろう。すぐ見つかるさ」


 俺達はドラゴンに乗って東をめざした。


 だが、東の空は闇の霧に覆われて視界は開けず、どれほど探しても魔王の城を見つけることはできなかった。

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