10日目

 一日中逃げまどっていた俺達の前に、救世主が現れた。

 青い髪の女神と、彼女が召喚した青の勇者だった。

 屈強なその男は魔王軍の兵士を次々と切り倒し、暗黒騎士とも互角の戦いを始めた。


「いいなあ、あの勇者。わたしもああいうSSレアを引きたかったわ」


 こっちの緑の髪の女神がほざいた。


「そりゃ俺のセリフだ。あの青い女神は、なんか凄い技使って援護してるじゃないか」


 青の女神は手から竜巻を繰り出し、青の勇者の背後を狙う敵兵を一掃していた。勇者が一流なら女神も一流のようだ。

 俺も一応、火の剣で援護しようとしたが、狙いが外れて青女神の髪を焦がしてしまった。


 ここは私達に任せて逃げて、と青女神は言った。

 言外に「邪魔だからあっち行ってろ」という含みがあったような気がしたが、お言葉に甘えさせてもらうことにした。

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