11日目

 また一日森の中をさ迷って、ついに泉にたどり着いた。

 背後には、俺達を追ってきた魔王軍の兵隊が迫ってきている。


 俺は火の剣を泉に投げ込んだ。

 

「なにやってんのよ、あんた!」

「まあ見てろ。こうすればきっと……」


 水面から泉の精霊が現れた。


「貴方が落としたのは、この究極の魔剣『超閻魔煉獄爆炎刃ちょうえんまれんごくばくえんじん』ですか? それとも至高の聖剣『絶氷光烈竜神凍牙ぜっひょうこうれつりゅうじんとうが』ですか?」


 予想通りの展開だった。

 俺はもちろん正直に答える。


「火の剣です!」

「素晴らしい。正直者の貴方には魔剣と聖剣を両方あげましょう」


 俺はさっそく魔剣なんちゃらを振るった。

 鼓膜が破けそうな爆音とともに稲妻が走り、目の前の森は数十メートルの範囲で焦土と化した。

 魔王軍の兵隊達は、骨も残さずこの世から消滅していた。


「すごい剣ね。あんたみたいなカスザコでも、こんな威力の魔法が使えるなんて」


 この女神も泉に叩き落としてやろうか。

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