6日目

 町のヤクザから一億五千万ルピー借りて、火の剣を手に入れた。

 ひと月後に利息込みで二億ルピー返済しなければ、俺は内蔵を取られ、女神は奴隷として売り飛ばされるとのことだ。


「あんたって最低のクズ野郎ね」

「人を勝手に召喚して魔王と戦わせるお前のほうがクズだろ」

「私が召喚しなければ、そもそもあんたは死ぬ運命だったのよ」


 いつのまにか女神が俺を「貴方」から「あんた」と呼ぶようになっていた。


「魔王を倒せば、王様とかそのへんが褒美で二億くらい出してくれるだろ。多分な」


 町を出るとさっそくゴブリンが現れた。

 火の剣を振ると、火球が飛び出し、ゴブリンの丸焼けが出来上がった。


「最弱の魔物を倒すまでに6日もかかったわね」

「一応聞くけど、魔王はこいつよりずっと強いんだよな」

「100兆倍強いわよ」

「あと24日でそれを倒すのか」


 いまだに、かなり絶望的な状況だ。

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