第2話

 私は死にたかった。


 顔も身体も人生も何もかも変えたかった。


 でも私は末期癌となった。

 

 治療が辛い。

 髪は抜けて、味覚もなくなり、流動食。

 抗癌剤治療は、あくまで僅かな可能性にかけた延命治療でしかない。

 背中の痛みが強く生きた心地がしない。

 “まな板の上の鯉”、“実験モルモット”の様な気持ちだ。


ーーーーーー


 そんなある日だった。


 SNSでの都市伝説を見つけた。


“どんな治療も叶える白髪の医師がいる”と。


 噂によると、医師が望む金額さえ準備すれば、どんな病気も、どんな治療も治してくれる、との事。


 特徴は、白髪だが細身の少女で、ハダカネズミの様な犬を連れているらしい。


 私は、すぐにその事を調べた。


 どうせ死ぬのなら、見た目も性別もかえて死にたい。


 なんなら、それらを全て変えて、癌を治してもらって違う人生を歩みたい。


 そう思っていた。


 そして、遂にその都市伝説の医師とSNSで繋がる事が出来た。


ハッシュタグは……。


“#人喰いのひと仔さん”

 

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