俺が萌え声の女の子の財布になった話 PART3

待ち合わせの時間がやって来る。 チャットでミクちゃんとお互いの服を送りあった。 「◯◯◯くんですか?」


身長160cmくらい。白のロングスカート、上はピンクのインナーに、デニムジャケットで袖は通さないスタイル。黒髪のおさげで幼げヘア。

いかにも、あたしかわいいでしょ? と言いたげな容姿だった。

正直、僕にはドンピシャ。 こんなカワイイ女の子見たことないと思った。

しゅき♡しゅき♡しゅき♡でいっぱいだった。


「どう......?」とミクちゃん。


「いや、その、なんつーか幼くて、童顔っていうの? すごくカワイイと思うよ。」

「全然......童顔じゃないし(苦笑) (イヤな顔)」 何故かキレられた。


どうやら地雷を踏んだらしい。

やっちまったなぁ〜!? とか思いつつは「俺はどうかな?」と聞くと 「顔は好みじゃない」 とキッパリ言われた。

まーぢでショックだった。胸にグサリと刺さる何かがあった。


僕たちは映画館のあるショッピングモールへ歩き出した。

歩いてる途中でミクちゃんが 「これってデートみたいだねっ!」 と言ってきた。

心臓止まるかと思った。

「あはは、そうだね〜」としか返せないコミュ障僕。


「せっかくだし、手繋ぐ?」


「へ?はへ?なはまatjmjt 繫ごっか。」

「何それww」


頭オーバーヒートして思考停止した僕に手を差し伸べてくれるミクちゃん。

僕はこの日、生まれて初めて女の子と手を繋いだ。

手汗やゔぁくないかな......? とか女子並の事を考えた事を今でも覚えている。


僕たちはショッピングモールのフードコートに到着した。


「クレープおごってよ!!」とミクちゃんが言ってきた。


「え、俺の奢りなの?」


「あたしいつも男の子と遊ぶ時はおごってもらってるんだよね(ニッコリ)」


「へ、へー、そうなんだ」


此処で奢らないと他の「男の子」たちに負けちまう......!と思った俺は、

「奢るよ!任しといて!」 と言って奢った。

ーー奢った自分に驕った。


ミクちゃんが割と安めのクレープを選択したので 「遠慮しなくていいんだよ。」とか言ってカッコつけた。

すると、ミクちゃんは 「ううん、これが良いの(*^^*)」 と笑顔で返してきた。

天使かと思った。


クレープを食べ終わって、僕と彼女はショッピングモールの地下にあるスーパーに移動した。

彼女曰く、飲み物はスーパーで買った方が安いから買おうとの事だった。

僕もその派だったので何これ!? 俺たち考え方合うとかお似合いぢゃん♡とか本気で思った。

勘違いした男のソレだった。



僕は策を弄した。 自分から「奢るよ?」とか言いだしたのだ。

すると、彼女は「えっ......じゃあお願いしよっかな♪(上目遣い)」 とか言ってきた。

僕はドヤ顔で会計を済ましてやった。


「優しいねっ、いい彼氏になるよ」 と言われて、僕は絶頂した(2回目)


それって......ミクちゃんが俺を彼氏にした妄想をしたってことじゃん!?

あーしゅき♡jmtgmtpな「jum7っね感じだった。。。

この時の僕はもう、当初の「付き合う」なんて目的はとうに忘れてミクちゃんにメロメロだった。


その後、ミクちゃんが見たいと言った帽子屋に行った。


「どれが似合う?」と聞いてくるミクちゃん。


「どれも似合うよ」


「どれもってなんだし!ちゃんと選んでよ!」とキレられた。


本当にどれも似合うし、天使だと思ったからそう言ったんだし! とか思ったけど、怒る姿すら天使だったミクちゃんは天使だった(天使)


ミクちゃんは帽子を2つ持ってきて


「どっちが似合う?」 と聞いて来た。

僕は麦わらの方をみて、「どっちかつうとこっち方が好m......じゃなくて似合ってる」


ミクちゃんが会計しようとした時、また僕は「俺が払うよ」とかなんとか言ってカッコつけた。

俺、かっけぇええええとか本気で思ってた。

今思えば、いたっ、いてぇいてていてえいていてええええって感じだ。 痛い奴でしかなかった。


「ありがと! 大切にするねっ!」 と言われた僕は 『俺こそミクちゃんを大切にしたいよ(ブサボ)』とか返す超絶気持ち悪い妄想をしつつ、

「どういたしまして(( ・´ー・`)ドヤァ)」とか言って店を後にした。


もう僕は止まれなくなっていた。 『俺は止まんねぇからよ...... 次の店に行くぞ!』 って感じだった。

その後、僕はショッピングモール内の駄菓子屋、映画館のポップコーンを自ら奢る勘違いムーブを繰り返して、2人っきりで映画「ズートピア」を見た。

映画を見終わって、2人で映画の感想を言い合ったりした。


「じゃあ、帰ろっか」というミクちゃん。

『えっ、俺はそんなんイヤだよ! もっと一緒に居たいよ!』から始まる妄想を脳内補完して、僕は「そうだね」と頷いて、僕と彼女は駅へと歩き出した。

駅に着いて、僕は地下鉄、彼女はJRで帰るので駅前で別れる事になった。


「◯◯◯くんに会えて楽しかった!! また遊ぼうねっ」

「うん! 俺も楽しかった! また遊ぼ!」


ただそれだけの会話なのに、僕は嬉しくて絶頂した(3回目)


「「バイバイ」」 と互いに手を振って去る。



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