第6話





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─カボル大都市 西部 魔導軍北支部─






「情報はまだかッ!最大範囲で今すぐに応援要請を出せッ!!」


「「はっ!!」」



「ッ何が起こっているッ!!」












「ゲルサイガ軍曹!!爆発音の正体が判明致しました!!」


「続けろ!」



「はっ!闘技場コロッセオ地下付近、奴隷達が生活している地下居住空間の天井が崩落。その影響で地面が陥没かんぼつし、爆発音が発生!」



「...たかが地面の陥没で?民間人の被害は?」


「未だ確認出来ておりません!!」


「瓦礫の下に巻き込まれた民間人が埋まってるかもしれん!すぐに応援に向かえッ!!俺もすぐ行く!」

「はっ!!」





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─カボル大都市 闘技場コロッセオ地下─





「ゲルサイガ軍曹!瓦礫の下敷きになった者はいませんでした!」


「それはなによりだ。...失礼。奴隷主セルウス・マスターそちらの被害は?」



「...見ての通り天井の崩落と出口までの扉全て破壊されておます。そして、点呼したところ...1名見当たりません」


「...そうか。その様子だと既に奴隷召集セルウス・カンヴィーンは行使済だな?」



「はい...」


奴隷主の呼びかけマスター・コールは?」



「反応がありませんでした...」



「反応...無しか。死亡したか?あるいは奴隷主の呼びかけマスター・コールが届かなくなるほど距離をこの短時間で奴隷が移動した?...とりあえずわかった。こちらでも捜索を手配しよう。誰が脱走した?どんなやつだ?」




「......ハ、箱入王...です」



「ッ...」

「「「ッ軍曹!!」」」


「...因みに、奴が昼間の一件で暴走したとき、もちろん強制停止シャットダウンは行使したよな?」


「はい。何度も唱え、術式発動はするのですが、なぜか効きませんでした」


「協力感謝する。...俺は報告に支部へ戻る。バンガ伍長、現場指揮は任せた」


「はっ!お任せを!」



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─カボル大都市 西部 繁華街 裏路地─





.....





「.........」



...試しに天井を突いてみたら崩れてしまうなんてな...



まぁ、もともと天井が崩れかかってたんだろう。

最初から正規の出入り口から出るつもりだっし、整備不足だ。俺のせいじゃない。





...とりあえず勢いで出てみたものの、何をしよう。






....






思慮深く考えることは、うの昔にやめた。






...今更考えてもすぐに思いつかんし、考える気にもならんが...







......






....だが、脱走したらあれだな...




......




...追われ

「…なまめでぇそ、うぉ?ぅおぃ、おめらみろぁ、あなぁ、ハクォリキコーざねのぉ〜?」

「ッまわけねぇだろ!あしたショケーされんだぞ!こなとこぁにいろわけっねぇ!ッヘャッ!」

「酒がぱりてねぇからみみゃちがえんだワキガがッ!!ハッ!」

「ちょと邪魔だあ!!しょべんさしぇろぉ!どけぇええ!!うぉーたーじぇっトォ!イィ!..ゥゥゥ..ハァァァ...」ジョロジョロジョロ

「「「ビャビャビャハハハ!!…」」」


「...」



............とりあえず隠れるか。







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二ヶ月後


─カボル大都市 西部 魔導軍西支部─






「…以上が事件以降、二ヶ月間の捜査報告です」



「はぁ...これといった収穫は無しか。死亡したか、何者かによって他国へ連れ去られたか」


「申し訳ございません。ゲゼンダフ中尉」



「いや、いい。軍曹。皆もよく働いてくれた。捜査ご苦労であった(奴隷ごときに任務続行させるか、指示を仰ぐか)」




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─カボル大都市 西部 魔導軍基地─





「…失礼いたします」



「よぉ、ゲゼンダフ中尉。ちょうど話がしたかったところだ。まずは中尉の話を聞こう」


「左様ですかバレッタ大尉。私からは脱走奴隷の件でお知恵を拝借したく…」







「──そうだなぁ...長年闘技場コロッセオを盛り上げてくれていた実績があるとはいえ、飛び入り参加の御忍びの王族を重体にさせたうえ、殺害その他諸々の理由で翌日公開処刑されるはずだった。事件当時、何らかの理由で、命令オーダー強制停止シャットダウン奴隷主の呼びかけマスター・コールが効かなかった。犯罪組織の魔法阻害を受けたか或いは他国の嫌がらせか...だが、現場には魔法を使用した痕跡も無いからその可能性は低い。ここまで間違いないよね?」


「...はい」



「生身の人間じゃ絶対に引きちぎれない拘束具が現場には引き千切られて破壊されてたし、手を引いた者がいる可能性も捨てきれないし〜...わからないね。...まぁ、今別件で忙しいから、これ以上それに人員割いてられないし、奴隷一人が居なくなったところで大した影響ないでしょ。寧ろ闘技場が活気づいていいじゃない。でも念の為、指名手配は取り下げなくていいよ。捜査終了。捜査隊スカーヴィンジャには後ほど顔を出しておく」


「承知いたしました。早速捜査打ち切りの指示を出します」



「上にも言っておくよ。あぁ、それとゲゼンダフ中尉、もし万が一、その奴隷見かけたら、公衆の面前であろうが、その場で即座に処刑ね?見ればわかるんだろ?」


「はい。心得ておりますバレッタ大尉」




「さて、話というのはさっき言った別件の問題なんだけど…」





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