第4話
「これだけかい??あれほど騒いでいたからこぞって参加するものかと思っていたよ」
第三王子は立候補者の少なさにあからさまに残念な表情しつつも観客を煽る。
「「「「「ッ......」」」」」
観客の中には、苦虫を噛み潰したような表情で俯いている者もチラホラといる。
「ふっ、まぁいいかな。まずは舞台に上がった勇気ある若者5人に拍手と歓声を」
「「「「「「うぉおおおぉおおお!!!!」」」」」」
「さて、そこの君から手短に自己紹介してくれる?」
「はっ!
「右に同じく、ネゴです」
「まじか!バルカン…」
「う〜ん誰に賭け…」
「バルカンねぇ〜…」
「魔法無しだからなぁ…」
「バルカンはバルカンでも下っ端かぁ…」
観客は思い思いに出場者を評価しながら楽しんでいる。
「冒険者・
「冒険者・
冒険者。街道に出没する魔物の間引き、各地に点在する迷宮で食料調達、魔獣狩り、秘宝探索、迷宮の果てを調査して生計を立てている者たちのことを言う。
「冒険者か…」
「魔物狩り専門だろ?対人戦やれんの…」
「アレももはや魔物みたいなもん…」
「
また、小柄で俊敏、しなやかさ、柔軟性に富む女性が
「「「ヘルハウンドォォォォォォォォォォ!!!!」」」
「ヘルハウンドォォォ!!いいッ!!…」
「いいい!!!いいいぞぉぉおうう!!…」
「ダガちゃーん!!がんばってー!…」
「「「「「「ダァガッ!ダァガッ!ダァガッ!…」」」」」」
此処一番に声を張り上げ、大盛上げる男性観客達。
「...さて、自己紹介も済んだし、ルールは簡単。一対一。殺害は禁止。魔法の使用禁止ならびに
数十年前に闘技場に参戦した少年は、今や闘技場の中では敵無しの無敗の男だが、魔法が使えない闘技場の中だけの王者。
故に箱入王と呼ばれ、馬鹿にする者が多い。
「───ま゛にあ゛っだァ!!ジャアアアマスルぜええいッ!!俺も混ぜてくれえィ!!
空から野太い叫び声が聞こえた途端、筋骨隆々の立派な体躯をした大男が闘技場の舞台に堕ちてきた。
着地の衝撃で闘技場の石床が割れる。
「「「「「!!ウォオオォォォオ〜!!!」」」」」
歓声に包まれる闘技場。
「やばっ!
「やべぇのきたああ!!…」
「ガタイはほぼ互角…」
「ゾゴマだ...と…」
「なるほど〜、魔法禁止ならいい勝負じ…」
「これは勝った!!…」
「ゾゴマやつを再起不能にしろぉぉ!!…」
「まぁいい。箱入王聞いてたよね?これから目の前の6人と戦闘をしてもらうよ」
第三王子は箱入王に体を向き直し、語りかける。
「......」
......
「(やはり反応無しか)...はぁ...スゴクク・サイ・カルボ・オーの名において箱入王へ
第三王子は右腕を前へ出し、足元と腕に蒼色の魔法陣が浮かび上がる。
「え゛ッ...
「え!?箱入が拒否したってことよ…」
「
「でもアイツしょっちゅう
「王族の指示を拒否するとかありえ…」
「──私を除いて舞台に立っている6名を無力化しろ。正し、一対一で尚かつ殺害は禁止とする」
............ぁ?
なんだこのいかにもボンボンなやつは。急に腕に触んな。今いい感じに意識を失っていたというのに。
...コイツらいつから居た?
「......」
舞台上に7人。
.........あぁ、バトルロイヤル。今日はハズレだな。
終わったものかと思ってぼーっとしてた。
「.........」
「(反応は無いけど
......早く糞して寝たい。
「最初に当たるのが私からだなんて、君、運が悪いね。
揃いも揃って弱そうだな。
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ここまでお読みいただきしていただき、ありがとうございます。
更新頻度も展開もゆっくりですが、
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