第3話 Web小説に求められる文体(モノ)と自分のギャップ
『書籍化を狙う作品の冒頭を読んで感想を書く』。
この企画に参加したのは、間違いなく私が「PV爆上がり」に調子に乗ったからである。
この企画は、企画名の通り書籍化を狙う作品の冒頭読みたいという読者による「感想書きます」企画だ。
本当は本気で書籍化を目指す人のための企画だっただろう。
しかしこの時の私は、迷惑な事にそれとは違う主旨でこの企画に参加した。
この時の私は、『カクヨム』投稿作のPV良し悪しの基準が分からずにいた。
まぁそれは今でもいまいち分からないままなのだが……それはちょっと脇に置いておこう。
この時の私は自分が得たPVが凄いのか凄くないのかが分からなかった。
そして、気になった。
だからコレに応募して目の肥えた読者からの評価を一つの指標にしようとしたのだ。
もう一度書いておくが、これは企画主に対してもその他の書籍化を目指している作家にとってもひどく迷惑な話だ。
今では私もそれを自覚して、当時の自分を酷く後悔し、反省している。
自主企画は他にもいっぱいあるのだから、書籍化を目指すわけじゃないのならば『書籍化を目指す』を掲げていない普通の「感想書きます」企画に参加する方が良いだろう。
さて、では本題に入ろう。
私がこの感想でスランプに突入した理由は、貰った感想を読んで『自分』を見失ったからだと思う。
少々厳しいことが書かれてはいたものの、貰った感想はその分文体に気を遣ってくれていた。
批判ではなくあくまでもアドバイスになるように、作者に対して配慮しているがよく分かるものだった。
だから「その言葉に傷付いたからスランプに陥った」という訳じゃない。
……いや、ちょっとだけ嘘をついた。
ちょっと刺さりはした。
でも、ほんのちょっとだ。
直接的な理由は傷心ではない。
今でもこの作品のコメント欄には該当コメントが残っている。
気になった人は読みに行ってみてもいいだろうが、ここでは必要な所だけを一部抜粋しよう。
〜 コメント一部抜粋 ここから 〜
描写が少ないとか、丁寧さが足りないとか、そんな印象からなのか(作者さんご自身にはその意識はないと思いますが)文章を読んでいてどうしても「雑」とか「手抜き」とか、そういう類の言葉が浮かんできます。
「推敲を重ねる(推敲する)」という作業は小説を書く上で必須の作業だと思いますが、その辺りが足りないのかなと思える作品でもありました。
〜 コメント一部抜粋 ここまで 〜
この中で何が最も私を困惑させたのかというと、このコメントにも書いてくれているが「私には雑に書いた気が全く無かった」という点だ。
私は処女作である<伯爵令嬢が効率主義に成長中だったら。>を書いている時から、自分の書く物語の文体の硬さが気になっていた。
いろいろな情報を仕入れていく中で「Web小説は軽くて読みやすい文体の方が読まれる」という事を知ったのだが、私が書く作品はその条件から外れている様に思う。
現在『カクヨム』に掲載しているこの作品は、既に一度手直しをしている。
だから少しはマシになっている……と信じたいが、要は今以上に「サラッと読める」というよりは「じっくり読まねばならない」作品だったという事だ。
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