兄の婚約当時10歳という、弟の年齢が絶妙に利いている感じがしました。浮気が汚らわしいと分かっているけれど、恋や結婚のことを完全に知っているわけでもない。匿名で暴露メールを送ってしまうという、なかなか極端な行動に出てしまうのは、この年頃の男の子だとすごく納得が行きます。
しかし、実際に私が弟の立場になったとしたら、どうすればいいか分からない気がします。私だったら、とりあえず兄を直接問い詰めてみるのかな。10歳だったら、どうしてただろう。
亡くなったタイミングもあり、優衣さんの中でも、白河さんの中でも美化されたままの兄。周りの人が、少しずつでも前に進めるように願うばかりです。
素敵なお話ありがとうございました!
作者からの返信
応援、レビュー及びコメントどうもありがとうございます。
丁寧かつ鋭利な読み込みに敬服します。
10歳だからこそ理解できること、できないことに重点を置いて描いたつもりだったのでそうした感想をいただけて嬉しいです。
実際、10歳の子だったらお兄さんに直接言ってしまうかもしれませんね。
ただ、ここでは瞬と蓮の兄弟の本質的な類似として
「破滅的な秘密を自分の中に抱え込んで周囲には安全な顔しか見せない」
という行動を取らせました。
優衣さんはもうすぐ旅立ちますが、蓮と理衣はまだ高校生ですからね。
ただ、この二人同士はもう恋するには傷付き過ぎてしまっている気がします。
私は立場としては兄弟の母に一番近い人間ですが、瀕死の長男の治療中に幼い次男を抱き締めたこの人にこそ穏やかな日々が訪れて欲しい気がします。
繰り返しになりますが、コメントどうもありがとうございました。
純粋なんだけど、重たい感情……
LINEやメールを冷静に使いこなしてしまうところが、今時の小学生の侮れないところな気がして、「うわ、ありそう……」って思いました。
でも、実際に人が死んでしまうと、その「ありそう」の背徳感が半端ない。
そして気付かない両親の迂闊さ。いや、気付いても地獄ですね。
何だか振り回される大人の方が、純粋で不器用にも思えて、色々と考えてしまいます。
作者からの返信
拙作へのご感想どうもありがとうございます。
子供の方が新しいツールを使いこなす場面をリアルでは良く見掛けるのでその危うさを作中では描いたつもりです。
主人公兄弟の両親はごく常識的な人たちで子供たちを愛しているからこそ、息子たちの闇を見落としてしまうのです。
彼らにとっては真相を知る方が残酷で地獄でしょうね。
繰り返しになりますが、コメントどうもありがとうございました。