第11話ケダモノ第十一世代そいつはすげえや

ナロウシュ様はナーロッパにおすみなので、ナロウシュ・ナーロッパと呼ばれているのですが、分かりようもないはずでございますが、この世界を覆ったケダモノの荒れ狂い方に関して言うと、要するに人文史に残そうにも筆舌尽くしがたいおおよそ人間の思考というものからすっぽり抜け落ちた、神の鋳型で押して出されたような人間たちにはなんら分からないような、そういった破綻した聖書にさえ記述されていない、抜け穴から現れたケダモノのことをどう呼べばよいでしょうか?

 それは破壊でした。

第十一世代のケダモノはケダモノ衛星が地上に落ちた時のクレーターの中に戻って、焼き尽くされたそのうろの中に文明らしきものが一切残ってない具合を確認し、まずファーストインパクトでほとんどの旧生命が滅んでいること、それを確認するように這いずり回っていました。

 ケダモノは最初にあった宇宙での移動速度を失って、地球に位置エネルギーとして、質量として降り注いだ後は、地球の一部として躍動していました。

 第十一世代は遂に、地中に到達し始めたのです。

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