第10話ケダモノ第十世代、そもそも毛が生えてない

 ケダモノとかケモノとかって毛が生えてるじゃないですか、え生えてない?

 じゃあ人間なんじゃね? え、人間、毛が生えてる?

 知るか知るかそんなもん知らねえよ、誰だよケダモノとか言った奴、もう十世代目に突入してるじゃねえかばかやろうこのやろう!

 十世代目のケダモノはウニウニであった、ウニウニというのは要するに今までアーチ状で尺取るように動きまくっていた形が、なぜか全身をウニウニさせながら動くようになったということで、その結果としてケダモノ同士の形質が異なりながらも互いにくっついたり離れたりしながら分裂する時にケダモノが数組み合わさって次の分裂を行う、合体分裂を始めるようになったりもした、それは今まで分裂したことをチャラにするような合体を繰り返すようになったわけではないが、すくなくともケダモノは生命の素となる海を体にたたえたまま、ただひたすら人間が気づき上げた文明をのたうちまわって破壊した。

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