望
野薔薇
友情
いつかこの友情が崩れてしまわないのか。それは誰もが恐れる事だ。
しかも、選択を誤っただけで心に大きな傷を負わせてしまうこともある…
主人公の大石浩也には、彼女がいた。彼女の名は夏木夜空。誰もが憧れる生徒会長で、家は大会社だった。瞳の色は澄んだ藍色だった。夜空と浩也はすぐに意気投合して、婚約までした。
ところが、浩也はとある女子が気になってしまったのだ。彼女の名は幸村成美。夜空の親友だった。
浩也は悩みに悩んだ結果、夜空にそのことを伝えることにした。
浩也は夜空を呼び出すと言った。
「夜空、失望するかもしれないけど俺は勿論、夜空も大好きだよ…けど、成美の事も最近気になってきちゃって、、、日本には一夫多妻という言葉があるでしょ。だから、そうできないかなって本気で思っちゃったんだ。」
浩也は夜空が失望すると思って言った。すると
「そうなんだ。よかったじゃん!好きな人ができて、成美の方が浩也くんに向いてるよ…!」
というと夜空は
「話はそれだけかな?私、急いでるからまたねー…!」
というと夜空は去って行った。
浩也はその時の夜空のことを少しは気にはしていたものの、成美との連絡の方を優先してしまった。
次の日、浩也は成美とメールで話していた。すると、一件の新着メールが来た。しかし浩也は一瞬は見たものの、気にも留めずに成美とのメールを優先してしまったのだ。
そしてその日の夜、成美から
「ねぇ浩也……‼︎夜空から、変なメールが来た!」浩也は驚いて成美に送られた夜空からのメールを見た。
するとそこには
「成美へ。私、浩也くんに既読スルーされちゃった。やっぱり、私はには無理だったんだね…成美、浩也くんと幸せにね…さようなら。」
と書かれたメールだった。
浩也は目の前が真っ暗になった。
「嘘だろ、、、夜空…‼︎なんでこんなこと…」
すると成美は
「浩也……⁉︎どうゆうこと…?」
すると浩也は
「俺、成美の事ばっかり話しちゃって、一夫多妻の事も言っちゃったんだ。そしたら夜空、成美の方が俺にふさわしいなんて言ったんだ。その時は何とも思わなかったけど…夜空の腕に包帯があったんだ、、、たぶんリスカの傷だと思う。夜空…もしかして、自殺するつもりなのか…⁉︎」
すると成美は
「このメールは5分前のメールだよ…!今すぐ、夜空がどこに居るのか突き止めないと……!」
浩也は急いで夜空にメールを送った。
一方夜空は
駅のホームで風に当たっていた。
「そろそろ、私も楽になるんだね…」
と言うと夜空は一雫の涙を流した。そして、成美からの新着メールを見て
「やっぱり、浩也くんは来てくれないんだな…愛されてないってことだよね…?」
と言うと夜空は遠くに見える電車のライトを夜空は虚ろ目な見てみると、
「ありがとう。さようなら…」
と言って線路に飛び出そうとした。その時だった…
「やめろ…‼︎夜空!」いきなり腕を掴まれ、夜空はホームに戻される。愕然とする夜空に
「お前…なにしてるんだよ…!」
聞き覚えのある声に夜空は驚く。
声の主は浩也だったのだ。
「お前がそこまで追い詰めていたことに、俺は気付いてあげられれるどころが、俺が、傷つけていたんだよな…本当に、ごめんな。」
すると夜空は
「浩也くん…うぅ…私だって、辛かったんだよ…浩也くんが、成美ばっかりかまってて、既読スルーもするし、それに、クラスの人への話、ぜーんぶ成美の話だった。私と浩也くんは付き合っていた。だから、私は浩也くんのことが好きだった。大好きだった…だけど、浩也くんは成美の方が好きなんだなって思った。だから、好きになった人の恋愛を応援したいなって思った。けど、浩也くんと別れたくなかった…!!」
すると浩也は涙を流しながら言った。
「夜空…お前のこと、ほっといてごめんな…俺は本当ダメ男だよ、大切な人の命さえも犠牲にしかけた…夜空には俺のことを信じてもらえなくていい、嫌われてもいい、だけど、俺のそばにいてくれ…お前になにも求めていない。ただ、そばにいて欲しいんだ…‼︎」
すると夜空は
「浩也くん…私、浩也くんのそばにいていいんだね…」
浩也は
「当たり前だろ…お前は俺の彼女なんだから、けどお前を傷つけたことには変わりない。」
すると夜空は「成美もごめんね、浩也くんのこと…」
と言うと成美は
「うん、気にしないでね!私、実は彼氏いたんだ~さっきからずっと私達のこと見ている人いるでしょ?あれが私の彼氏!」
夜空と浩也は驚いた。
さっきからずっと自分たちを見ていた、背の高い、いかにも中年のサラリーマンの人が成美の彼氏だったなんて…⁉︎
驚く浩也に夜空はサラリーマンの男に
「ご無沙汰しています。成美の彼氏さんだったんですね?橋口さん。」
なんと成美の彼氏の橋口は、夜空の会社の従業員だったのだ…
成美は、二人に向けて
「お幸せにね♡浩也、これ以上夜空を泣かしたらゆるさないわよ!」
と言うと成美は橋口と腕を組みながら去って行った。
5年後、
夜空と浩也はめでたく結婚した。
そして、そろそろ新しい家族が増え予定だ。
夜空は
「そういえば、前にそんなことがあったわね。」
と言うと浩也は
「うん。本当にごめんな。」
と言うと夜空は
「パパがそんな顔をしてどうするのよ。もう、とっくに許したじゃん。」
そういうと夜空は浩也に抱きつく。
「これからもずっと一緒にいようね…‼︎」
望 野薔薇 @sayuki_mero
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。望の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
芳香剤が呼んでいる/縮図 岬
★9 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
本当にあった過去の話 うどんの悲劇/宮崎世絆
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます