第5話 家庭
「ただいま〜」
トシキが仮面時間のまま家に帰った時、久しぶりに家族全員がリビングに揃っていた。
今日は親に仮面の思い出を聞くついでに最近町で気になることは無いか聞くことにした。
トシキの父、ケイト45歳。建設会社勤務のサラリーマンだ。父に仮面が現れたのは小学生のことだった。元々活発な性格だったからなのか赤色で擦り傷のように線が入った模様がついている。
トシキの母、ヨウコ43歳。専業主婦だ。おっとりとした性格で垂れ耳に垂れ目の犬の仮面である。
妹のマキ、14歳。中学2年生。中学校ではクラスの委員長を務め、吹奏楽部に所属している。勉強ができ、しっかり者のマキは吊り目のウサギの仮面をしている。
父に仕事場ではどんな話をしているのか聞いてみた。やはり最近の殺人事件のニュースで持ちきりらしい。母からはママ友の中で家の周りでウロウロしている怪しい人物がいるという噂が出回っているということだ。この不審者は、多分前に襲ってきたやつではないかと考えてしまった。
妹は、話しかけようとしたら部屋にこもって出て来なくなってしまった。
しばらくしてテレビから速報が流れた。それは殺人事件の凶器が判明したとのことだった。凶器はまさかの包丁だった。やはりジュンに聞いた時はまだ判明してなかったことが分かり、トシキは背中に冷や汗をかいた。
「なんでジュンが先に凶器を知っていたのだろうか?考えたくもないがまさかジュンが犯人なのだろうか?」
さらに被害者の共通点も判明した。それは、被害者が皆仮面時間に殺害されていること、さらにどの仮面も鳥をモチーフにした仮面であったことだった。
この共通点を聞きトシキは膝から崩れ落ちた。そしてしばらく立つことができなくなってしまった。
心配した母が「少し休みなさい。」と言ってくれた。その言葉に甘えてご飯も食べずに自分の部屋で寝ることにした。
夜中、普段より早く寝てしまったせいか1番嫌な時間に起きてしまった。
やはり考えることは殺人事件に関すること。ジュンが凶器を先に知っていたことだ。明日学校に行く時にジュンに探りを入れてみることにした。
寝れないことは分かっているが、朝になるまで静かに目を閉じていることにした。
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