第4話 学校
次の日
いつも通り学校に行くことにした。
トシキは部活には参加していないので、ゆっくり朝食を食べながらどうやって犯人探しをしようか考えていた。
「クラスメイトにどんな仮面の模様なのか聞いて回ろうかな。いや、それだとみんな怪しがるかもな〜
とりあえずジュンに聞くか。」
トシキはテレビに流れている殺人事件のニュースを横目に流しながら支度をした。
家を出たトシキはジュンと合流し、間を空けずに問いかけた。
「最近この町で聞いた噂とかない?」
「うーん、人が殺されたとか?」ジュンは言う。「それって今日の朝もニュースになってたやつ?」トシキが質問すると、
「うん。なんか包丁でひと突きだってさ。」ジュンは答えた。
「まじか、やべーな。」トシキは苦虫でも噛んだような顔をした。
(あれ?でも凶器に関しては言ってたっけ?まぁ、違うテレビ局では言ってた可能性もあるしな。俺の見落としか。)
トシキはその言葉に違和感を覚えたが、ジュンの話が別の話題に移ってしまったので、問い正すことはできなかった。
学校に着いてから沢山の生徒に聞いてみたが、今朝のニュースで持ちきりだった。
仮面の模様について聞いてみても、あの仮面に似た者は現れず、分からずじまいだった。
「結局1日これといった収穫がないまま終わっちまったな〜」トシキが途方に暮れていた時後ろから急に話しかけられた。
びっくりして振り返るとトシキのクラスの担任の吉田が立っていた。
「おう。内田(トシキのこと)何か探し物か?」
「い、いえ。何でもありません。今から帰るつもりです。」
「そうか、まぁなんか相談したいことがあれば言えよ。それと、慣れないことに首を突っ込みすぎると痛い目見るから注意しろよな。」
「はい、ありがとうございます。さようなら。」とトシキは踵を靴に押し込みながら帰りの挨拶をして帰った。
トシキは空を見ながらゆっくり帰っていたら突然、仮面時間が始まった。
「あ〜あ。こんなときに始まらなくても、、、」と嘆いていたトシキだったが、奥の曲がり角で何かを見つけた。
それは前に襲われた仮面の人物だったのだ。
トシキは気付かれないように小走りで近寄った。
しかしトシキが曲がった先には誰もいなかった。それどころか人が通って気配すら感じることができなかったのだ。
距離的には見失うほどではなかったので、トシキはひどい寒気に襲われた。そして、何事もなかったように帰ることしかできなかった。
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