第3話 謎

仮面にはいくつかルールのようなものがある。そこまで詳しくはないけど知ってる限り僕、トシキが話そう。


まずは前にも言ったことだけど、自分ではいつも通りに出している声も仮面時間の時は他人からは違って聞こえるそうだ。


自分が誰かも、時間内では言うことができない。

試しに言おうと思ってやってみたことがあるけど、どこからか口止めの言葉が聞こえてくるのでやめてしまう。


仮面がついているときは自己紹介もできない。これが厄介でもし皆で見かけた相手が友達だとしても名乗れないのでお互いに知ることは難しい。


仮面時間が終わるまで待ってもいいけどそんな無駄な時間を過ごすくらいならゲームをやった方がマシだと思ってしまう。


また、仮面の模様が遺伝することはないようで、家族みんなバラバラの模様。


聞いたことがあるのは、仮面の模様は小さい頃の環境や幼児期の受けたストレスの量、性格などの模様に関わってくるらしい。


僕は小さい時から弱音をすぐ吐いていたのでその影響でか鳥のような嘴に垂れた目、涙のようなデザインが目の下から顎にかけてある。


家族のものも紹介したいがあまり覚えていない。


なにせ仮面時間が始まる時は大抵一人だし、みんながいる時に始まっても喋りにくいのであまり顔を合わせることはしない。


学校で仮面時間が始まった時は、一度作業を止めてみんな揃って俯いてしまう。


もちろんそんなことしてるので誰がどんな仮面なのかなんて覚えていない。


仮面時間は基本10分程度で終わるが、日によっては1時間以上の時もある。その日は長い時間仮面が付いているので疲れてしまってそのあと何をするにも気分が乗らない。


身元が分からないので悪さをしようとする人もいるそうだが、別に特殊能力が身につく訳でもないので難なく捕まってしまう。


警察は制服を着ているので名乗らなくても誰かわかるので心配ないらしい。


あぁ、仮面のことを思い出していたら、前に襲ってきた見知らぬ仮面のことが気になってきてしまった。


今思い出すとよくあの包丁避けることができたなぁ


明日も学校はあるから、学校から友達に事情を説明しながら聞いて回ろうかな。


危険なことに足を突っ込むほど勇気のある人間ではないのでそこまで深追いするつもりはないけど。


軽く犯人探しの開始といくか〜。

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