応援コメント

第一集」への応援コメント


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    九頭龍様の絢爛たる語彙の数々に、少しでも肖りたく存じます。
    不肖、坂本忠恒。これまでの生涯において、正当で体系的な日本語学習を等閑にしてきた怠け者であります故、恐らくは拙作の中で夥しい数の誤り、もとい恥を晒しているものと存じます。近頃漸く奮起して、日本語をしっかり勉強し直そうと決意したのですが、最初の取っ掛かりがなかなか掴めず歯がゆい思いでおりました。
    このような折に、九頭龍様の御作と出会えたことはまさしく僥倖でございます。この巡り合わせに感謝しつつ、勉強させていただきたく存じます。

    追伸
    また、先日無礼にも送らさせて頂いた私の拙いコメント対して、心を尽くしたお返事を下さり、本当に感動しております。特に、私の拙作について御高覧賜ったとのことで、畏れ多くも『堅韌なる文軆』との御評価もいただき(これは気を遣わせてしまったかもしれないと申し訳なく思いつつも)、私の方こそ欣喜雀躍しております。誠にありがとう存じます。

    作者からの返信

    坂本忠恒様。
    こんばんは。九頭龍一鬼です。

    愚作全般を隈無く瀏覧いただき、さらに、応援、星マークのかずかずをいただいて、まことにありがたく存じあげます。本統に、此処まで熱心に愚作を御高覧くださる読者様は稀なので、喫驚と感動をしております。

    『これまでの生涯において、正当で体系的な日本語学習を等閑にしてきた怠け者であります故』とのことですが、勿論、愚生も(中卒で高等教育を享受していないことはともかく)ただしくうつくしい日本語をつむぐむずかしさは、つねづね、実感しております。

    愚生が自慢できるとすれば、曩時の三島由紀夫のように、『国語辞書を最初から最後まで読んだ経験』があるために、多少は、ほかのアマチュア作家同志よりは語彙が豊富ではないか、という点くらいです。

    (これは、いっそのこと、本作のあとがきがわりに執筆しようかともおもいましたが、『日本語の語彙をふやす』こと自体は大変に容易でございます。できれば、紙の辞書よりも、電子辞書を用意して、『ア行』から『ワ行』まで検索し、自分の文章に挿入したら面白そうな字面の熟語をさがし、多少面倒ですが、手書き入力で、その熟語と熟語の意味を、パソコンのメモ帖に引用しておくのです。文章を書くときには、メモ帖で意味の内容から熟語を検索し、それぞれのパソコンのIMEやATOKに読み仮名とともに記憶させ、キーボードで入力すれば、充分に自分の語彙として活かすことができます。おそらく、現在ならば、ネット上の辞書も豊富なので、ネット辞書でおなじことができるかとおもわれます)

    然様な自負心すら、工藤行人様や、尾川喜三太様の傑作群と邂逅することにより、刹那に破砕されまして、一時期は工藤様に『愚生は工藤様には到底およばないので、簡易な文軆に転向します』というように宣言し、『きみをつれて』を執筆する次第となりました。

    が、然様な『きみをつれて』も、某新人賞で一次選考落選となり、愚生は『もう、好きなように書こう、自分の好きな日本語で、好きな物語を書こう』と、また、もとどおりの作風にもどってきたのであります。

    『恐らくは拙作の中で夥しい数の誤り、もとい恥を晒しているものと存じます』とのことですが、生来、懶惰な性格の愚生は、『100%ただしい日本語を書くことは不可能にちかい』と諦念しております。というのも、ロラン・バルトでしたか、どなたか失念いたしましたが、世界的な評論家の著書に、『語彙の誤用もふくめて、作者の文軆は出来上がる』というように書かれていたためであります。これは、饒談半分にうけとっていただいでも結構です。

    『また、先日無礼にも送らさせて頂いた私の拙いコメント対して、心を尽くしたお返事を下さり、本当に感動しております』とのことですが、此方こそ、意想外に、坂本様という熱心な読者様と邂逅できて、感動しております。今回のような吉事のきっかけとなられた工藤行人様にも感謝いたしたく存じあげます。

    『特に、私の拙作について御高覧賜ったとのことで』とのことですが、『堅韌なる文軆』という表現は、坂本様の文軆をうまくあらわす語彙が咄嗟に髣髴できずにもちいたもので、いまおもえば、『高雅な文軆』と訂正いたしたく存じあげます。なかんずく、梶井基次郎の作品についての評論が印象ぶかかったです。梶井文學は、日本文學のなかでも、世界文學のなかでも、特異な性質をおびているようで、唯一、肉薄する作家といえば、『マルテの手記』のリルケくらいではないかと存じあげます。然様な、謎のおおい梶井文學について、理解がふかまり、また、梶井の短篇集を再読したくなりました。ありがたく存じあげます。

    坂本様の御活躍を、今後も期待しております。
    今後とも、よろしくおねがいいたします。