詩集 あのね

恋と愛についての考察

好きになれば　恋はできるけど

愛してなければ　結婚はできない

そんな恋と愛との違いは

漢字で見れば

恋は下心　愛は真心　

と簡単に人は言うけれど

君に恋する　と　君を愛する

では ”に” と ”を” で　君の意味が違うらしい　

君に(恋)の君は　心に変化を起こした対象で

君を(愛)の君は　関わりたい対象なんだって

確かに恋は知らないうちに勝手に落ちてしまうけど

愛はがんばって愛そうとするから　

自分の意志でって感じはするよね

でも　僕は思うんだ

恋するときはみんな

君を好きです　ってがんばって言ってるじゃん

そこに意志はあるだろって

それでも　

君を愛してる　とはなかなか言えないよね

がんばっても

恋に落ちて　好き　とは言えても

愛してる　って口にするのは

ハードルが高いよね

I like you　は言える勇気があっても

I love you　にはなにかが足らない

なにが足らないんだろう？

好きって　たぶん　代替えがきくと思うんだ

でも　愛してしまうと　もう代替えはきかない

たとえば僕が　ラーメンが好きだったとして

今夜は　ラーメンが食べたくて　

でも　お店に行ったら　たまたまお休みで

でも　お腹がすいているから　

うどんも好きだから　オムライスも好きだから

そんなときは　ラーメンじゃなくて

他の好きなものを食べるだろう

きっと食べちゃうんだろう

好きは　代替えがきくから

でも　もし僕が　カレーライスを愛していたなら

愛してしまっていたなら

どんなにお腹がすいていても　

他のものは食べないだろう　我慢するのだろう

だって僕は

カレーライスを愛しているのだから

愛してしまったのだから

だけど　カレーライスは人気があるから

ぼやぼやしてると

気がついたら　みんな食べられちゃってる

じゃあ僕は

このまま飢え死にしてしまうのかい？

もう一度よく考えてみよう

僕にとって　ゆずれないものはなに？

代替えのきかないものは　なんなのか

それが　カレーライスじゃなくて　カレーだったとしたら！

カレーうどんでも　カレーパンでも

なんとか許される

カレーライスじゃなくても

許してあげよう

それが妥協というものだろう

だからもし自分にとっての　カレーがなにかに気づけたなら

そして　それが見つかったなら　出会うことができたなら

きっと　愛してる　って伝えよう

思い切って

愛してる　って言えるだろう

そう思って

僕が　愛してる　って言った君は

ハヤシライスだったね