賢者、グリフォンを討伐する
「そうと決まればまず帝国の城へ行きましょう!お父様にマギ様を認めてもらわなければなりません」
「ノアさんのお父さんといえば帝国の皇帝様ですか......。俺大丈夫ですか?首刎ねられたりしません?」
「安心してください。お父様はそんな短気を起こして優秀な人材を失うような方じゃありませんよ」
俺達は城にたどり着いた。そしてすぐに皇帝への謁見が始まる。
「お前がノアの近衛になりたいのか」
皇帝ニコラスが俺を睨んでいる。
かなり怖いがここが正念場だ。
「はい!マギと申します!」
俺は帝国式の儀礼を用いて挨拶をする。
「ほう、そなた王国の人間にしては礼儀がなっておるな。よろしいでは試練を与えよう」
「試練ですか?」
「お父様まさか......」
「そのまさかだ。我が娘ノアと貴様で我が国の街道にちょっかいを出しているモンスター倒してこい。それができればノアの近衛でもなんでも認めてやろう」
どうやら皇帝にとっても街道沿いのモンスターはかなり厄介らしい。
俺達は皇帝へ謁見してからすぐ問題の街道へ来ていた。
「ノアさんあいつですか?」
「そうです。あのグリフォンですね」
グリフォンか。硬い爪となんでも砕くと言われる嘴が特徴のモンスターだ。厄介なのは風属性の魔法も使ってくる。
勇者パーティーですら少し苦労するだろう。
俺いつでも戦えるようにノアさんにバフをかけておく。
【プロテクション】
【アンチマジック】
【属性付与火】
【身体能力強化】
グリフォン相手ならこの辺でいいかな。
「とりあえず戦ってみますか」
「バフをかけたりとかの準備はいらないんですか......?」
「もう終わってますよ。少しその場で動いてみてください」
「あっ本当ですね。体がなんだか軽いです。詠唱が必要ないですか?」
「あんなのめんどくさいだけですよ。効果量が増えるわけでもないですし」
「それはまたすごいですね......」
「くおー!!!」
と鳴きながらグリフォンが俺達に気がついて迫ってくる。
こちらはもう準備満タンだ。
俺はグリフォンにデバフを入れる。
【物理防御低下】
【魔法防御低下】
【魔法攻撃力低下】
【物理攻撃力低下】
とりあえずこれくらいで大丈夫かな?
「ノアさん多分今ならグリフォンすごく弱いと思うので剣で殴ってみてください!」
「わかりました!行きます!【スラッシュ】」
ノアさんの攻撃でグリフォンが燃え始める。
これが【属性付与火】の力だ。
「なんかグリフォンが燃えてますよ!?」
「大丈夫です!俺の付与ですから!トドメ刺しちゃってください」
「は、はい。わかりました」
サクッと包丁で野菜を切るように硬いグリフォンの首が落ちる。
「グリフォンがこんな簡単に......」
「お城に戻りましょうか。皇帝様に報告しないと」
がしっとノアさんに手を掴まれる。
「マギ様!素晴らしいです!」
「ノアさんずっと言おうと思ってたんですけど俺のことはマギと呼び捨てにしてくれていいですよ。後俺は平凡です」
「平凡なんてご謙遜を。マギ様を呼び捨てにしたらそれこそお父様に怒られてしまいますよ!」
グリフォンの首を1日かからずに持ち帰った俺は皇帝からお墨付きをいただき晴れてノアさんの近衛になることができた。
「これからよろしくお願いしますノアさん!」 「こちらこそよろしくお願いします!」
「しかし皇帝陛下よろしかったのですか?王国のものを大事な姫様の近衛にするなど......」
「宰相か。ふむノアが心底嬉しそうだったしよいのではないか?あんなに嬉しそうに笑うノアは久しぶりに見たぞ?」
皇帝の親バカぶりに宰相は頭を抱えるのだった。
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