いっそ このまま
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いっそこのまま
明方 ドビュッシーの月光を流すと暖かさに包まれる様な感化を覚えた
いっそこのまま
そう いっそう このままこのベランダから
荷詰めした僕の思い出と共に冷たいコンクりートに頭を打ち付けて自分の暖かい血の海真ん中で眠りたいと思った
いっそこのまま
友人達に借りた劣情を抱いたあの友人達に借りた本など返さずに 頁の束を真っ赤に染め上げて読めない物に替えてやりたいとそう願った
いっそこのまま
僕のことを放ったらかしにして
忘れ去られた 想い出の硝子片にでも代われたら 僕は幸せなのでは無いかと妄想した
のうのうと生きている僕に
価値を見出してくれた 皆の衆に
ありがとうと言葉を遺して この部屋を
この街を この命を 引き払ってしまえたら
どんなに楽に成れるだろうか
成だ 敵陣の 僕の ボーダーラインを越えた
その先に 成となる 唯の歩としての人生から
自由に行き来できるそんな そんな そんな
僕は産まれ持って 前に進むことしか出来ない
ひとりの人間なのだ 歩む道程は一本道
相手の駒として活躍するかもとか
それを取り返して また違う場面でまた一直線に進むか その程度の人間なのだ
ワラエルゼ
どうか笑ってくれ こんなにも
自由だったのに こんなにも真面目だったのに
こんなにも誠実であったのに
僕はどうしてまたあんな不自由極まりない
生活に戻らなきゃ行けないんだろうか
退屈はしたくない 唯それだけだ
だから 僕を拾ってくれ 摘んでくれ
飼い慣らしてくれ 僕を一番理解してくれ
僕のことを一番上手く扱える
あなたのそばに居たい
纏まらない文章だ これもまた日記だ
許してくれ 将棋を打つのは僕は下手くそだから
だから
いっそ このまま
僕を
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