第5話
凄く小さな小劇場。チケットは1枚1200円だった。受付といる男の子に声をかける。元気がないようで、「はい。」と愛想のない声で対応されて、来なければ良かったとも思わされてくる。ここまで来て、引き下がるわけも出来ず。チケットを購入して、会場に入った。どこか、音楽の会場のようなテイストで、100人が座れるように、人が椅子を並べたような感じだった。そこに、20人くらいの人間がまばらに座っていた。
「ねえ、何でここなの?」
「じゃあ、なんで付いてくんだよ」
会社から出たときに、青田から声をかけられ、なぜか一緒に来る破目になった。
「別にいいじゃん。飲みに連れて行ってくれるかなって思っただけだよ」
本当に行かないと伝えてし、チラシも見せたのに、青田は一緒に来たのだ。訳がわかない。会場が暗くなった。
『どうもー』
2人の学生らしき男の子が入って来た。
『本日はよろしくお願いします』
MCなのか、どこかぎこちなさが漂ってくる。少しの無言が怖いような雰囲気をかもしだしてくる。最近、寒くなってきたなど、たわいのない話がぎこちなく感じてしまう。どこか、逃げ出したくなるような気持ちが沸き上がってくる。自分のことじゃないのに、自分のことのように感じてしまっていた。
どこかで、「頑張れよー」と声が飛んできた。同じ思いの人がいることに、少し安心してしまった。3分が1時間くらいに感じてしまった。
『では、5組の漫才を見たいただきましょう』
一旦、MCの子たちが下がって行った。
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