第4話

掲示板に、関町が解雇されたことが明記されている。昨日、関町に報告するで部署に戻ったら、部長に呼び出されていないことを元木から聞かされた。そして、その日、部署に戻ってくることもなかった。

派遣の女と恋愛関係があっただけで、解雇とは変な話だとは思う。

「どうかしんですか?」

声を掛けてきたのは元木だ。

「さすがですよね。関町さん。まあ、青田さんが怒ってたみたいですし、前にも派遣の人で、問題起こしてたみたいですよ。あの人」

「そうなの…」

元木の情報網には、いつも感心させられる。

デスクに腰を掛けても、何か落ち着かない。本当に、もう関町はこないのだろうかと、あの掲示板を信じきれないでいる。

「全員、聞け」

その方向に、在籍する20人ほどが、顔を向ける。

「関町が居なくなったので、後任として、俺が務めることになったから、あいつの仕事は俺に言いにこい。」

かすれたのような拍手が広がっていく。歓迎ムードなど、皆無状態だ。関町もそうだが、この太田和夫も厄介だ。一難去って、また一難というところだろう。十分な状況で、働くことなど、無理なのは分かっているが、どこか期待をしてしまっている。


とりあえず、今日は帰りにお笑いを見に行こう。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る