第2話
お笑いか。チラシの日程は、2日後の19時開始だった。気分転換に行ってみようか。
「戸上さん、出来上がった資料ください」
不機嫌な顔の派遣事務の鈴木が話しかけてきた。
「ああ、もう、他の人に渡したから、鈴木さんは関町さんの資料をお願い。」
「えっ、何でもいいから、くださいよ」
「そう言っても、困るんだよね」
「ケチ」
鈴木は人に恨みでもつけるように、違う人の所に仕事を貰いにいった。たぶん、関町には頼まないつもりだろう。
「あの人、次に仕事与えてもらえなかったら、派遣切られるらしいですよ」
「そうなんだ。」
隣に座る元木が話しかけられる。
「冷たいですよね」
「何が?」
「そんなテンション低くしゃべられたら寂しいですよ」
目を合って、少し睨んだ。元木は少し目を細めて、息を少し吐いた。
「ここで働く派遣の人は、皆、どこか責任ないんですよね。派遣の人たちのミスはすべて、こちらが持たないといけないのに、それすら、分かっていない人ばかりで困るってことですよ」
元木は僕に聞えるくらいの声で、自分のパソコンを触りながら、苛立ちを隠せないようだった。
急に、周りが静まり返った。さっきまで居なかった関町が戻って来たのだ。その瞬間、空気が一変するのがお決まりだ。そして、誰も話をしない空気が漂っていいく。
「戸上」
呼ばれた。関町の入る席に向う。僕を睨んできた。
「鈴木さんが、お前に怒られたって言ってきた」
何を言い出してるんだ。「怒ってませんけど」
「本人がそう言ってるんだ。何とかしろよ」
「何もできませんけど」
「はあ!!」
関町を怒らせてしまった。何で、波風立てないように、言葉を選べないだろう。
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