助けはどこに置いていますか?
一色 サラ
第1話
夜の10時過ぎ、公園に大きな池をベンチに座って眺めていると、月が池に反射して、ユラユラと水面に漂っている。
『俺の言うことを聞いとけばいいだ』
人を見下して、逆らうことを許さない上司の関町の顔を浮ぶ。それを聞いて、失敗をした。それなのに、関町は責任をすべて、僕に負わせてきたのだ。すべてを勝手にやったことと言って、白を切った。
なんで、働いているのだろう。我慢に限界があるのに、仕事を辞める勇気を持てない。生活費は、次の仕事はどうしたらいいのだと堂々巡りを繰り返している。上司の関町の言葉や態度に嫌気がさしているのに、会社も同僚も見て見ぬふりをする。助けのない空間に、息が詰まって、生きている心地ちなどない。
なんでこんな人の言う事を聞かないといけないだ。ただ、逆らうことはできないのだ。
このまま、池に飛び込んで、死んでしまうか。
「お兄さん、お笑いって興味ありますか?」
その言葉を聞いて、顔をあげた。
「今度、ライブするんで、来てください。」
そう言って、大学生風の男性がチラシを渡された。
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