第15話 奈津と俺

大丈夫!!大丈夫!!いきなよ。彼も

いるし、私一人じゃないから。

大丈夫よ。」


「うん、ありがとう。」


向こうで男2人じゃれあってるのが

見えたので!

「光寿郎さーん、またねー。」

と雪菜は、手を振った


「おう!! またなー。」


雪菜は来たバスに手を振りながら

飛び乗った。


「あーあ折角、大夢を連れてきたのにな。」


光寿郎は雪菜がバスに乗り込むのを

みて結菜に駆け寄った。




「あ!! コイツ大夢。

フラれてヒマそうだから

連れてきた。」

結菜に大夢を紹介する。



  「初めまして結菜です。」


あ、ああ「よろしく。」

光寿郎に負けないくらい、イケメン。

でも、


「どっかで会いました?」


大夢は、キョトンとしながら


「ん‥?初対面だと思うけ‥ど」


    「・・・ですよね~」


とは答えたが、腑に落ちない。

どっかで?どっかで見た!!


  「あつ!!そうだった。♡♡」

結菜は光寿郎に会いたかった事を

思い出し、

人の目を気にせず光寿郎に又抱きつ

いた。


大夢は、それを見て

『今此処でそれ

やる?

合ってすぐやるもんじゃ?

遅くね?』と思いつつ苦笑い。


光寿郎は、なにがあったか分から

ないけどまあ、いいか。


柔らかい結菜を抱きしめながら

結菜が俺にベタベタするのは

悪くない。


ついニヤニヤが我慢できない。

今まで素っ気なさそうだったから

余計うれしい。


「俺、だから来るのやだったん

だよ!! 」

大夢は、ボソボソ呟いた。




あああ、ああ「ゴメンなさい。」

結菜は バッと離れた。




3人は四川料理店に入り

本場の職人が作る料理に舌鼓を

打った。あ辛いーな、後からピリ

ピリくる。


「でも凄く美味しい。益々長崎

大好きになっちゃつた。」


「今度、おばあさまと二人で来よう

かな?」


「ふん!!また光寿郎ーって泣くなよ。

で、何が悲しかったんだ」



「う‥うん、帰ってから話すよ。

 ユッキーのプライバシーも

あるしね。」


ね、ね、

「みてー。

 二人でいっぱい食べたんだよ。」



ユイは大夢にも、光寿郎にも見せた

けど全部食べてる写真でまとも

なのがなかった。


「何だよ。みんな食ってる写真

じゃねーか

 この食いしん坊。チュッ。」


結菜は目をパチクリして

「モウー。光寿郎♡♡」


 と顔をあかくした。


「モウー俺!! 付いてこねーぞ、

 ついて来たのが間違いだった。

 帰ってから、やれや。」


そんな二人に、あてられながら


ふと外を眺めた、つい5カ月前は

俺も雪菜とこんなだったな。


どこにいんだよ

早く帰ってこい!!

長崎は夕暮れを迎えて街の灯りが

ポツポツと灯り始めた。




「は!! 最低だな!! その彼氏。」



「でしょっ。ユッキーが

 会いに行ったら女の人の肩だいて

 どっか行っちゃったんだって!!

ムカムカしちゃった。

でね、きいてよ~!それからね…」


余程頭にきたのか結菜は、

一晩中喋り続けた。

女のロってよく疲れ無いもんだ。

結菜の愚痴は寝落ちする迄

続いた。



昨日は長崎に行ってきたせいか、

落ち込んだ気分が少しラクになった

気がする

大夢は会社に足を踏み入れる。


やはり気分転換は必要だな🎵。


「大夢~♡」 

最近、上機嫌な奈津が良く食事に

誘って来る。


・・・あんな事もあったが、奈津なりに

考えて雰囲気が悪くならないように

気配りしてくれてるんだと思う。



その夜また大門の会長に誘われた。

社長、専務、部長に俺


毎度高級クラブにお誘いだ。


会長は立派だと思うし尊敬している。

日本の経済を少なからず支えている。



静かで力がある。


「なあ、山形君、ワシには孫娘が

いてな!」


「君の事を好きみたいでな。」


 「は?お孫さんがですか?」


「うん。君達も仲良いみたいじゃ

ないか?」


 「えええ、?お孫さんって誰です?

  僕の知り合いにいましたっけ?」


「孫は奈津だよ。狭山奈津」


「えええ、!!

奈津、いや奈津さん?」


「どうだ、嫁に貰ってはくれんか?

 奈津は娘の子でな、

 大事な孫なんだワシの

 目に止まった男で無ければやれん。」



「え~えええ、いやいや奈津さんは

 大事な友人です。結婚はその~」


「結婚してくれたら、大門は君の

モノだ君に譲ろう。


思いっきりやりたいようにやれば

いい。

勿論奈津の父親の元で、しばらくは

勉強してもらうが。


会長を息子に譲り、儂は隠居する

君が社長になり会社を継いでくれ。


儂は事業から離れ隠居する。


もう古臭い爺さんは

曾孫の子守して過ごしたい。

考えてはくれんか?」


「奈津さんの気持ちもありますし

 僕には、大好きな彼女がいます。」


「それは大門と天秤にかける

 程の女か?」


「申し訳ありません。それ以上です

俺は彼女がいないと 腑抜けなんで

す。」


「ホホウ、君は覚悟をして

 言っておるのか?」


「え、‥」


「儂は大門隆司だぞ!!

 覚悟をして、答えなさい。

儂に恥をかかせるのか?」



社長も専務も青くなったが、

俺は覚悟を決めたんだ。


答えようとしたとき


「まあまあ、会長、山形さんもすぐ

答えられませんわよ。ねえ~


 お友達と結婚なんて、ホホホ


 ワタシと会長が結婚するぐらい、

ビックリよねえ~。」


ママが機転を効かせて中に入って

来た。


「まだ若いんですもの、遊びたい

年頃デショッ。ゆっくり考えてみ

たら 良いわよ。


ンー会長せっかちなとこは昔から

変わらないのよ。♡♡」


ママと会長の仲は多分パトロンだ

ろう。

今ならハッキリわかる。


誰の意見もきかない会長がママの

言う事には耳を貸している。


ママは、美人で色気がある。

50位だろう。

いつからの付き合いなのか、

そっちの方が気になる。


ギクシャクは、したものの何とか

切りのけた。


ママにお礼を言って店を出た。




奈津の結婚話が噂になっていた。


何人かの同僚につつかれ冷やかされ

ながら部署に戻ると、皆の目が俺に

向けられた。


奈津がいっものようにコーヒーを

持ってニコニコしてやってきた。


俺は皆に聞こえる位の声で


「奈津噂になってるけど知ってる

か?」

 と聞いた。



「ああ…うん聞いた。気にする事

 無いじゃん。」



奈津はそれ程、気にした様子は

みられなかった。しかし


昨日の事もあるから否定しなけれ

ば・・・

後々噂が一人歩きする事を恐れた

俺は



「俺と奈津は仕事柄一緒にいるが

俺には23年付き合っている女がいる。


誤解を招く行動が会ったことは

謝ります。


しかし奈津とは仕事上の

パートナーだ。俺も奈津も迷惑し

ている。

変な噂は慎んで貰いたい。」


一同水を打ったように静かになっ

たが、ザワザワと部署がいきめき

たった。


「マジか、」 「え~嘘だったの?」

「誰だよ。マジつまんね_-」

「奈津さんかわいそくない。」

「仕方ないじゃん課長彼女持ちなら」

「彼女って誰?」

        「さあ~」


奈津が

「あら!! 彼女?もう居なくなった

んじゃな いあの子豚ちゃん。」


大夢の「エツ!! 」


と言う声に ««しまった、»»

と声をだし奈津は口を抑えた。


ツカツカと奈津に近寄り、

  「何か知ってるのか?」



奈津は少しビクついて首を振り

「大夢の彼女の事なんか

 何で知らなきゃいけないの?

    知らないわよ。」



騒ぎが起きてる事を知り部長が

やってきた。


「山形!! 何の騒ぎだ!! 就業時間だ

皆仕事につきなさい。」



「すみません。

 俺の不徳の致す所です。」

 と頭を下げた。


掃除のオバチャンが

トイレの前で噂をばらまいたのは

奈津本人だと教えてくれた。


「あんたに、その気が無いなら

 あんまり接触しなさんな、女は

ちょっとの優しさで間違うんだよ。


ありがとうも声高↑く言うより

素っ気なく、ありがとう→か、

ありがとう⇩


寧ろ避けな!目の覚めるくらい、

いい男だから仕方がないか…


意味の無い優しさは罪なんだ

でもあの子の為だよ。」


おばちゃんは俺の背中をバシバシ

叩きながら私達の所にも、遊びに

おいで待ってるよ。


そう言ってくれた。




   









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