第3話 きみの物語とあいたい
願いをさえずる鳥の歌
サヨナラ小さな罪
願いをさえずる小さな罪
サヨナラ鳥の歌
高校最後にポンさんに避けられている。それでも会いたいと思っていたら、足が勝手に家に向かっていた。会えるうちに会っておこう。卒業したらポンさんは東京に行く。ポンさんはカメラマンになりたいとその熱意を私に語ってくれた。熱くて眩しくて、かっこいいし可愛い。夢なんて私にはない。別に机で削られたわけでもないし、大人を信じてなかったわけじゃない。たぶん卒業式も泣くと思う。そして東京で変わってくだろうポンさんの未来をしばるなんてできない。3月の風に想いを乗せて、会いたい気持ちに素直になろう。
喧嘩別れは嫌だから、君を主役にするのはやめた。しぶしぶ自分を主役にしてみることにした。今年は同じクラスだから話は聞こえてくる。東京へ行くための部屋の片付けが終わらないと。だからずっと家にいるって。
唐揚げの匂いがする。夕方の街の平和な風。カラスがないて、ああそうか日が長くなったんだなあと気づいた。まだ暗くないのだ。私も前よりずっと暗くなくなった。避けられている人の家に乗り込もうとするくらいには明るくなった。のか?
リコーダーやら運動着やらをランドセルに装備した小学生が帰っていく。そうだそうだ、6年、3年と3年と卒業式がやってくる。私は自営を継ぐからもう卒業式などやってこない。大荷物を抱えて家に帰ることはきっとあるだろう。少しずつ持って帰ろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます