第2話 突然の戦い
「暑い·····」
乾燥したサウナに熱されているような感覚が身体中に伝わってきた。
おぼろげだったが、目蓋をゆっくりと開くと火の海となっていた。
「ちょ?! 何これ!」
アオイが見た限りだと、ドールハウスのサイズの家が燃えているように見えている
。
あまりの唐突な目覚めに困惑していた。
だが、アオイは家のサイズを見ていると違和感がある。
「ちょっと待って·····。家が小さい·····」
身体を動かすとギシギシと鉄が擦り合わせる音が聞こえてくる。
その音に気づいて、首を下に向けると───
「え? 鎧?」
鎧であってもこんな音がなるのだろうか?
と考えているが重さを感じない。まるで服を着ている状態に近いくらい身軽に感じている。
アオイは次に手の関節を見た瞬間。あることに気づいた。
「え、えぇぇぇぇぇ! ロボットになっとる?!」
ロボットのような関節を見て、目を飛び出す勢いで尻もちを着いていた。
その反動でガシャン! と家が潰れる音に思わず───
「あわわ?! 家が! じゃなくて!」
状況が飲み込めないため、心を落ち着かせようとする。
「えーと。オレは街に居て·····。そこから目を覚ますと火の海。そしてロボットとして侵略していた·····?」
暴れたような記憶がないためが既視感が否めなかった。
それはこの身体が馴染みあるように感じていた。色々と思い出そうとするが心当たりはなかったので────
「·····。その前にここをどうにかしないと」
身体をゆっくりと起こしたあと、知らない街でもどうにかして消火をしないといけない。
いくら記憶がないとは言え、放置することができなかった。
「誰か知らないけど! 居るの?!」
するとアオイの胸の方から女性の怒鳴り声が聞こえた。
先程聞いた声とは違うが、ここまで運んだ経緯だけは聞けると思い────
「あ、あのー。ここはど·····?」
「そんな事よりも敵が!」
「え?」
アオイから正面を見て約1km先に白い甲冑の騎士のロボットが3機が街を弓で火矢を放っていた。
兜には角ようなものが装飾されており、長柄の斧を背中に背負っていた。
中央に居た1体がアオイの方を気づき、弓を構え始めた。
「あれ? まさかヤバいやつ?」
身の危険を感じたのか、1歩下がると·····。
「下がらないで! それに勝手に動かないでよ!」
胸の方からジーンと響くように怒ってきた。
そんなこと言っても身の安全は大切だとアオイは感じていた。
「撃て!」
白い騎士の掛け声と共に魔法の矢を放つ。
マシンガンのように矢の雨が正面から襲いかかる。
「クソ?! 」
物陰に隠れるために高めの建物に向かって急いで走って逃げるが、弾幕が張られているせいで何ヶ所か矢が刺さってしまう。
「あ、あぁぁぁぁぁ!!」
建物の裏に隠れるともがく様に倒れる。
ロボットにも関わらず、刺さった箇所に痛覚が走った。右足に左肩、そしてお腹に1本ずつ刺さっている。
まる人間がケガをしたかのように痛覚が伝わってくる。
「だ、大丈夫?!」
胸の中にいる女性は無事のようだった。逃げた勢いで転がっているとアオイは思ったが───
「何が大丈夫だ! こっちは痛ぇんだよ!」
矢を抜くために建物を背を合わせたあと、手で矢を引っ張る。その痛みもじんわり伝わり泡が吹いてしまうほどだ。
1本1本抜き終えると息を荒らげている。
「はぁはぁ。冗談じゃない! こんなの逃げるのが勝ちだ!」
戦闘に対して素人のアオイにとっては逃げる方が良いと考えた。
突然の出来事が積み重なったことで、かなり危険だった。もしこのまま戦えば胸の中にいる女性も危険な目に合う。
リスクを最小限にするためにも撤退を考えたが、場所もわからない。
だが逃げることには変わりは無いアオイはこの場から離れようとするが───
「待って! お願い! 弟を助けたいの!」
突然の物乞いを聞いたアオイはイライラしている。
「ふ、ふざけるな! いきなり目を覚まして助けたいは無いだろ!」
「けど!
聞き覚えの無い言葉と言い分に余計に困惑する。アオイは気持ちの整理が出来てないため、逃げることに精一杯だった。
「·····。な、なんだよ。いきなりなんのことを!」
「お願い! 力貸して! この街を守らなかったら、奴らに侵略されちゃうの!」
「で、でも。目を覚ましたばかりで·····」
「お願い·····。これ以上。大切なものを失いたくないの·····!」
彼女の必死の訴えに涙を聞いて、アオイは心を痛めていた。
本当は逃げたい気持ちで一杯だった。しかし。震えている声がアオイ自身が忘れていた記憶を掘り起こすように蘇った。
それはアオイの弟の姿だ。アオイの膝に彼が座っており、一緒に絵本を読んでいた。
それを彼女の訴えを重ねると心に響くように何かを突き起こされた。そして彼女の話が戦えるロボットがこの1体だけなら、逃げれない。
「·····。わかった」
「え·····?」
「手伝うよ·····。でも戦えないけどやるよ」
恐怖を押し殺すように彼女と協力することにした。
手は僅かだが震えていた。それが彼女の脳内に伝わってくる。
「怖いの?」
「·····。いや大丈夫」
と嘘をつくが───
「嘘だよ·····。震えてる」
図星だったのか、アオイはため息をする。誤魔化したつもりだったが、上手くいかなかったことに恥ずかしく感じていた。それを聞いた彼女は勇気を貰い、涙を拭う。
「私がやるわ·····。剣術は使えるから」
「え? でも操れるのか?」
「ええ。操作の権限を入れ替えれば戦える。それと剣も·····」
アオイは武器がないか手探りで身体周りを探す。
左腰にはショートソードが1本あり、それをゆっくりと抜いた。
「これなら行けそうか?」
「えぇ。1本あれば行けるわ」
「そうか·····」
剣の刃渡りが分厚く、明らかに切れそうなくらいの輝きがある。持った時の重量感にアオイは唾を飲み込む。鎧が切れるとは限らないが抵抗するためにも最低限は必要だった。
「あのどうしたらいい?」
アオイは彼女に手伝うことないか確認をする。
「私に任せて。あとはやる」
さっきまで泣いてたにも関わらず、気持ちを素早く切りかえていた。彼女の心の中強さにアオイは感心していた。
「·····。わかった。任せるよ」
彼女を委ねるようにロボットの操作を任せることにする。
すると彼女の身体の動きを合わせるように立ち上がった。そして白い騎士達に立ち向かうように姿を現す。
「おい! 青色の
「データがないようだ。気をつけろ!」
白い騎士達は弓を構えていく。殺気を感じられるほど、アオイの脚は
「あ、あのさ」
「何?」
恐怖を誤魔化すためか彼女にある質問をする。
「名前は? オレはアオイ·····」
「·····。私はトウコ。クレハ・トウコよ」
名前を言うとトウコは剣を構えていた。それを合わせるかのように青い
「もし先に死んだらごめんよ·····」
先に死を恐れていたのか保険として謝っていると────
「なに言ってるの? 生きて帰るよ!」
青い
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