うわさ

そんなこんなで停留所の話ですねー。たくさんありすぎて話しきれないや。まだまだあるんだよー?


ほら、あの場所とかだったらこんな話があるの。あそこはこうだったかな。

それで







ねえ、留華ちゃんの言ってる車掌さんって知ってる?


留華がいっつも言ってたあのバスの車掌だろ? 見たことないよ。


あたしも。そんなバスに乗ったこともないし、第一、留華が言ってるみたいな車掌さんがいたら絶対覚えてるって。


だよな。


誰も乗ったことがないの? そのバス。


ないない。


あ、でも私、聞いたことあるかも。


バス?


うん。なんか、ちょっと古い感じのバスに若い運転手さんが乗ってるんだって。


若い運転手なんて言ったら他にもいるでしょ。


うーん、そうなんだけど。なんか変なんだって。


変って、何が。


停まるはずのないとこで停まったり。


あ、それ俺もあるかも。時刻表に載ってない、来るはずのないバス。


留華ちゃんが言ってる車掌さんって、もうおじさんなんでしょ?


そうだよね。小学生の頃からバスに乗ってるの見てるんだから、そこそこいってる、よね。


ちょっと、みんな! 留華の話、ちゃんと最初から聞いてた?


あ、その車掌さんってお祖母さんの代の時からいる?


ええ? 無理だろ、そんなこと。


でも留華ちゃん、そんなこと言ってなかった?


言ってた、かも。


最初に言ってたよ!


ちょ、その車掌さんってほんとに生きてるの? 別人ってことは?


留華は本人だと思ってるな。


じゃあ、本人?


マジかよ。マジか。留華、何度もそいつに会ってるみたいだからな。


ねえ、結局その車掌さんって誰なの?


決まってるよね。


桜ヶ原の七不思議。バスでも停留所でもなくて、きっとその車掌だ。


その車掌さんって、何なの?


二つ目の七不思議。


停留所をまわるんだろ?


まわってるのはバスでしょ?







ちょっと、みんなー!

私の話、ちゃんと聞いてくれてる?

もう! しょうがないなぁ。

いくら話しても足りないんだから、最後にしちゃうよ。いいのかい? いいんだね? 本当にいいんだね? ほんっとうにいいんだね?


じゃあ、これが最後!


ネタばらしだよ!

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