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——なんだよ、肝心なところで課金しろとか、すげえがめついじゃん
すみませんねぇ、こちとら印税で飯を食ってる身ですから。
——でも、すごいお上手でした。特に足音や扉を叩くところの迫力が本当にその場所にいるようでびっくりしました。
——私も驚きました。こんなにお上手とは……。東さん、こういったことを語るのは初めてなのですか?
初めてですが、なにぶん昔からこの手の話が大好きでして、稲川淳二の怪談噺を寝る前に聞いておりました。
——彼の噺を寝る前に聞けるなんて、すごいですなぁ。よければ、私と一緒に怪談師の道を進んでみませんか?
いやぁ、わたしとしては聞く方が好きですので、語るのはどうも……。今回はたまたま上手く行っただけですから。期待しないで下さい。
——あの、一つ質問してもよろしいですか?
ええ、大丈夫ですよ。えっと、一色さんでしたっけ?
——はい。その垣本という人が体験したのって、本当に怪奇現象ですか?
——それはどういう意味ですか?
——いえ、あの、上手く言葉では言えないんですけど、どうもその人が経験したのって、人間が仕組んだことのような気がしてならないのです。
ハハハ、お嬢さん、よく気付きましたね。まさに、わたしの本にそこらへんの考察と真実が書かれておりますよ。ぜひ読んでみてください。わたしは生憎、これ以上語ることはありませんので。
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