『秘密組織 毒キノコ』

やましん(テンパー)

『秘密組織 毒キノコ』


 『秘密組織 毒キノコ』は、世界征服を企む、中小幽霊企業である。


 

 ナンバー2


『ナンバーワン、最近、秘密基地へ、廃墟巡りとかを趣味とする連中が多く入り込んできて困ります。』



 ナンバーワン


 『む、たしかに、昔は、廃墟にして幽霊話とタタリの話を作ったら、誰も来なかったがなあ。世界征服の邪魔になるか。』



 ナンバー2


 『そらあ、つかえそうなのは、怪人に作り替えますが、コストがかかるから、まとめて来られたらお手上げです。手下を床に寝かせて、頭だけ覗いてみたり、二階から覗かせたりしますが、かえって、喜ばれたりする。やりにくい。』



ナンバーワン  


 『うちは、優しい幽霊の世界征服を目指しているからな、手荒なことする同業者もいるらしいが、それは、したくない。』



ナンバー2


 『警備会社にたのむとか。警察に訴えるとか。』 



ナンバーワン


 『きみね。いくらなんでも、警察はだめだよ。われわれは、世界征服を目指す中小企業秘密幽霊組織だ。警備会社は、高すぎる。だいたい、われわれも、不法占拠してるし。』



ナンバー2


 『たしかに。まあ、脅かして返すしかないすな。』



ナンバー3 (真っ青になって、来る)


 『で、で、で、で………………』



ナンバー2


 『どした、かおがわるいぞ?』



ナンバー3


 『かおは、良くないです。飛び降りたときつぶしましたから。あ、でた、でました、別の幽霊です。これ、証拠写真す。』



ナンバーワン


 『なんだな、おわわ。ハッキリ見える。手にプラカード持ってるな。『で、て、け、せかいせいふく、じゃまするな』か。こりゃ、幽霊というか、同業者先住民かなあ。』



 ナンバー2


 『ついに、でましたか。ちらほらは、あったが。だれか、いるらしいというのは。やはり、同業者ですかな。』



 ナンバーワン


 『ああ、しかも、ちょっと、たち悪いかもな。しかし、われわれも、ここしか居場所はない。ほかに、行き場はない。そう書いて、かざっとけ。』



 ナンバー3


 『ぴらぴららららあ〰️〰️〰️❗』



 それ以来、双方は、プラカードの応酬となったのである。


 それが、ネットで話題になり、ますます、廃墟巡りが増えてしまった。


 住民からの苦情が増加し、町は逃げ回っていた、行方不明の所有者の孫を見つけ出し、町がお安く買い取り、取り壊しするとの方針を固めたのである。


 ふたつの、秘密組織は、合体することにしたが(力関係から、毒キノコが、吸収合併した)、正式な行き先は、まだ、見つかっていない。


 ふたたび、廃墟に入り込むつもりらしいが、なかなか、簡単ではなくなった。


 

 

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『秘密組織 毒キノコ』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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