第9話 飛行機ができた!

 そうして4人で力を合わせて取り組んだ結果、ハヤトの設計した飛行機がとうとう完成しました。


「できた! できたぞ!」


 ハヤトは飛び上がって喜びました。


 ポール博士が言いました。

「とうとう、やり遂げましたね。おめでとう、ハヤト君」


 また、アベルとルキアが言いました。

「ハヤトさん、おめでとう。完成してよかったですね」


「ありがとう、ポール博士、アベルそしてルキア、あなたたちがいなければこの飛行機を完成させることはできなかったでしょう」


 ハヤトは三人に心からお礼を言いました。


 ハヤトはさっそく、完成した飛行機を村の丘の上まで運びました。

 その飛行機は、自転車の基体と、その左右両側に大きな翼を備えており、自転車のペダルを漕ぐと、自転車の後ろ側に取り付けられたプロペラが回るようにできていました。


 そして、その飛行機を飛ばすためには、自転車のペダルをこぎながら丘の上から海に面する崖までいっきにかけ下りて、そのまま崖から海に向かって飛び立たなければなりません。


 ハヤトは手に手袋をはめ、頭にヘルメットをかぶりゴーグルをかけて飛行機に乗りこみました。


「よし! 行くぞ!」

 ハヤトはいきよい良くペダルを踏み込みむと、丘の上から崖に向かって飛行機を走らせました。


 ハヤトの乗った飛行機はぐんぐんスピードを上げて丘の斜面を下って行きました。そしていよいよ崖がすぐそこまで近づいてきたそのときです。


 キキキー!!


 突然、ブレーキ音が鳴り響き、飛行機は崖のすぐ手前で止まってしまいました。


 そのブレーキはハヤトが自分でかけたものでした。


「ハヤト君! 一体どうしたんだ?」

 ポール博士とアベルとルキアが急いで駆け寄ってきました。


 ポール博士たちがハヤトを見ると、ハヤトは、顔を真っ青にして体を強張らせて震えていました。


「だめだ、で、できない」


 ハヤトは崖から飛び出すことが急に怖くなってしまったのです。

 その後、ハヤトは何度も同じように挑戦しましたがやはりどうしても崖のすぐ手前でブレーキをかけて止まってしまいました。

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